あれこれ、日々に感じたことを書いていきます。

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2013.12.30

あれこれ320

今描いているP50の珪藻の絵である。
まだ始まったばかりのラフな段階であるが、形の捉え方に無駄が少なくなってきているような感じをもてた。
それと、初めの下描きは見えたとおりに残らず描いたものの、左上の薄く残っているところなど省略した方がいいのではないかと思えるところが出てきた。
ひたすら見たとおりに描いてきたのに限界を感じ始めているので、画面全体を冷静に見るようになっているのかもしれない。



今年最後の「あれこれ」である。2009年1月から初めたので5年ほど続けたわけだ。
320回目になるが、よくも話題がつきなかったと我ながら感心する。
これも拙い小生のサイトにお付き合い頂いてる方々のお陰と感謝いたします。


2013.12.25

あれこれ319

MWSのJシリーズは誰でもが所有する資格はないように思う。
小生はかなり粗忽な性格である。室内も埃が舞っている状態だ。顕微鏡がかなり使えるなと思えるようになった時は、いかに身の回りは埃だらけであるかに気づいたときでもあった。プレパラートも手垢にまみれ、埃だらけにし、拭き取っても元の清浄な状態には戻らない。
なので、Jシリーズは敷居が高かった。
ところが、22日はいつもより早い時間にネットサーフィングを始めたら、Jシリーズの発売直後の「本日の画像」を見ることになった。すでに販売済みのものもある。これは天の配剤だと勝手に都合よく解釈して2点申し込みしてしまった。
注文のメールをして、サイトの更新をしたら、まだ大丈夫であったはずの1点はすでに売れてしまっていた。もう1点の方は、類似のが3点あったので1点は売れていたが、なんとか入手できたわけだ。
24日に届いたので早速検鏡した。1.5×1.0mmの範囲に何の汚れもなく73点もの珪藻が整然と並んでいる驚異の眺めだ。
並べるだけでも驚異だが、それを液体を流して、あるいは流さないのかもしれないが封入するわけだ。しかも珪藻を動かすことなしにするわけだ。
想像もつかない技術が使われているのだろうと夢見るような気持ちで見ていたのが今日の画像だ。


2013.12.20

あれこれ318

背景を格子にして撮影すると、大きさの違うアリを一目で比較できる画像がデジタルだと簡単にできる。
ひと枡1ミリメートル角なので、0.15センチから1センチまでの5匹である。
長さで7倍、体積で300倍ぐらいの違いがあるわけだ。
アリ科といってもいろんな形と大きさがあるのがこれだけ見ても感じられるようだ。

一番大きいのがムネアカオオアリ、小さいのがサクラアリ。
残りは左からオオハリアリ、トビイロシアアリの女王、そして色が黒くないのが気になるがクロヤマアリだと思う。
サクラアリの女王も脇にいる女王とおなじような感じで働きアリより随分大きいが、どちらも脚の長さは短いので不格好に見える。空中で交尾した後は巣に籠もったきりで卵を産み続けるのだろうから、長い脚は必要ないわけで女王の特徴なのかなとも思うがどうなんだろう。


2013.12.15

あれこれ317

甲虫(鞘翅)目ハネカクシ科のなんとか。体長0.4センチメートル。
ネットの微少昆虫を取り上げているサイトで朽ち木の樹皮下にいる昆虫シリーズのなかにこれとよく似たハネカクシでチビカクコガラシハネカクシとあった。
とはいえ、地味なムシで研究が進んでいないそうだが、種数の多い甲虫のなかでも多さを誇る成功したムシで、日本だけでも2300種ぐらい知られているそうだ。素人が正確な種名など分かるはずもない。でハネカクシのなんとか。
ハネカクシの名の由来は小さな固い前翅の下に長い後翅を納めているが、一見、翅を持っていないように見えるからだそうだ。初めてこの種を見たときは、ハサミのないハサミムシかと思ったぐらいで、翅のある甲虫とは全く思わなかった。

下の写真は矢印のところを金属顕微鏡対物20Xで撮影したものだ。
小さな黒丸が棘毛の根元で、毛が寝ているものは見えるが立っているものは見えない。表皮に刻まれた溝は部位によって形や深さが微妙に違っているようだ。

小生の興味の中心はどうもこのような微細構造にあり、これが見て取れる昆虫図を描きたいと願っているのだが、電子顕微鏡でアリを観察し100号で描いている人が、数センチ角で一日かかったので微細構造はあきらめたと言われたのを聞いて、本当だよなと感じたこともある。
果たして実現できるだろうか。今はまだ全く手が出ない状態だ。


2013.12.10

あれこれ316

前回のハエヤドリコマユバチの頭を大きく描いてみた。
見えなかった大アゴがしっかり見えるというわけだ。
昆虫の消化器系の先端も人間と同じで筒の先が開口している。人と違うのは唇の代わりに襞や刷毛状のものが付いていたり、小アゴ肢や下唇肢のような腕状のものが付いていることだろうか。
大アゴはさしずめ歯の代わりであろうが、このムシでは噛み合わせられないので、はてなと言うことになるわけだ。


2013.12.05

あれこれ315

ハチ(膜翅)目コマユバチ科ハエヤドリコマユバチの1種らしい。体長0.25センチメートル。
この絵では下になり見えないが、大アゴが頬の外側について先が合わせられない妙な口元である。この特徴と触角が非常に長いのがこのハチの特徴なので多分あっていると思うが、ネットで見つけたのは黒いハチで飴色でなかったのは気がかりではある。
葉っぱの中に蛹を作るハエを「あれこれ」2010.03.16で取り上げたが、このての蛹に寄生するようだ。
幼虫はそれでいいとして、成虫は妙な大アゴで何を食べているのだろうか、何の役にも立っていないとも思えないが。


2013.11.30

あれこれ314

ハエ(双翅)目キノコバエ科ナガマドキノコバエの1種らしい。
体長0.3センチメートル。
小さなものはプロポーションが変わっているのも多い。
このコバエも頭を下げて胸と一体化してるような感じと、巨大な脚が目立った。

大慌てのラフスケッチでプロポーションが狂ったようなので、どのくらいの脚の長さか計測してみた。
直接測るのは難しいので、1ミリ格子の用紙の上に置いて撮影し、フリーのキャドソフトJW_WINで計測した。
JW_WINに画像を貼り付けて縮尺を合わせるのはテクニックがいるが慣れると時間はかからない。
キャドは計測すると細かい数字がでてくる。しかし、縮尺を合わせる基準の格子が太くてムラがあるおおざっぱなものなので精度は悪い。この程度だと思ってもらいたい。

中段に表にしたが、全長は前、後でかなりの違いがある。これは腿節と脛節に大きな違いがあるせいだが、絵をみるとその違いを描き分けてないのがわかる。
がっくりくるが実力のほどがしれるわけだ。

ところで、格子は四角に見えるが実は画像ソフトで修正したもの。元画像は逆樽型の歪みがある。歪み補正も正しいのかも疑問があるし、格子が精密になれば歪みを取り切れないかもしれない。
また、この格子はJW_WINで1ミリ格子の表を作図してインクジェットで印刷したもので明らかにおおざっぱなものだが、お金を出せば精密な格子が手に入る。
小生の立場では必要ないが、だんだん欲しくなってくる。


2013.11.25

あれこれ313

新作家展の森の絵で受けた批評で「工芸品にならないように気をつけなさい。」というのがある。
すでになりかかっているのを軟らかく表現したものだろう。その時はあまり感じなかったが時間がたつにつれて重くのしかかってきた。
緻密に緻密にとばかり思い詰めて描いてきたが、よい方向には行かずに悪い結果を残しているのだろう。たとえば、細部の変化を見逃さない観察が失われパターン化の方向にずれてきたとか、全体のバランスがおろそかになっているなどだ。
今度の珪藻の絵はそれを反省して描いている。荒い描き方を復活させ、死んだ珪藻の抜け殻とは言え、動きや生気を感じさせるものを目指しているのだが、よい結果を願うばかりだ。


2013.11.18

あれこれ312

前回のアリは、同じ場所で禾本科の種をくわえたのを見つけたのでクロナガアリは正しかった。
ひとつの大きな獲物に群れをなして集まるアリはよく見ていたものだが、一匹だけで、しかも植物の種をくわえて巣に戻っているアリを見るのは初めてだった。
考えてみれば、成熟して散らばった種を集めるのには群れをなすこともないわけだ。
ところで、見る角度で印象が随分違うものだ。荒々しさが消えてかわいらしくなったし、名前のように長い体つきになった。


2013.11.15

あれこれ311

ハチ(膜翅)目フタフシアリ科のクロナガアリではないだろうか。体長0.45センチメートル。
禾本科の種を餌にしていて、9から11月にかけて餌集めをする以外は巣にこもっているらしい。
その巣は驚異的に深く、垂直に4メートルをこえているのもあるらしい。
小さなアリだが、腹部以外はシワシワで、長い毛を全身にまとい、大きな頭に大きな大アゴをしていて、なかなか強面な感じがある。
大アゴも太くがっちりしていて、獲物を捕らえる武器というよりは土を掘削する土木機械のようだ。と思うがどうだろうか。


2013.11.10

あれこれ310

真鶴は石の産地でもある。自宅のすぐ後ろの山に入っていくと採石場があるし、石屋さんの加工場とか石置き場もすぐ近くにある。
絵に描いたものは、石置き場で拾ってきた真鶴石の欠片だ。
箱根を作っている安山岩というらしい。
採石場を見たとき、大きな岩の固まりがあると思っていたら、以外と小さく割れていたし、がさがさに屑れているところもあった。そして、鉄分が流れて付着したのだろうか表面は褐色だった。
それを割ると青灰色で白や黒のつぶつぶやすじが入っている石になる。

マグマが地下深くゆっくり固まると花崗岩などの深成岩、地表や地表近くで早く固まると安山岩などの火成岩になる。 安山岩は、珪酸分が52〜66パーセントで構成鉱物は斜長石、角閃石、斜方輝石、単斜輝石、磁鉄鉱からなり、石英を含むこともある。などと、ここまでは独習できるが、これから先が大変である。
下の絵は、小石をカットして表面を磨き上げ顕微鏡で見たものだ。
結晶になる暇が無かったところが地の部分で石基、模様の部分が結晶したところで班晶と分類される。
この班晶の大きさは0.6ミリくらいだが、青いのが輝石とか角閃石、白いのが斜長石とか石英とかだろう。というのが最近やっとわかるようになった。
結晶の出来具合や、造岩鉱物の種類などをじっくりと見ていると、その石がどんな経過をたどってきたのかわかるらしいが、そのとっかかりにやっとすがりつけたと言うことだろうか。


2013.11.05

あれこれ309

だいぶ前の個展でのことだと思うが、仕事をしながら絵を描いてた仲間が見に来てくれて、いろいろの話をした。
もう亡くなってしまった先輩がなにげに言った。絵は最後は人が出てくると。あるいは、人格と言ったか人柄と言ったかもしれない。
そのときはそんなものかなと軽い気持ちで聞いたが、森の絵の後では怖い言葉だと感ずる。
ここのところ昆虫以外の絵から離れていたのはそのせいもあるかもしれないが、そうもいっていられないので20号で小さいものの、珪藻の絵を描き始めたのだ。


2013.10.30

あれこれ308

残酷だと顰蹙されてしまうが、時々昆虫の解剖をしている。子供に返ったというか、昆虫の内部がどうなっているか好奇心が抑えられないのである。
しかし、簡単ではない。小さくてうまく切り離せないし、壊してしまって何が何だか全くわからなくなるのが大抵である。
今回はエタノール漬けにして日をおいて頭部以外の消化系を取り出した。色が無くなってしまったが形はあまり崩れなかったようだ。
体長1.6センチのハナアブだが消化器の長さは3センチ近くある。赤丸で囲んだ以外のものが腹部にとぐろを巻いているわけだ。
ハエ目で不思議なことは、前腸は、のど元で二つに分かれる。分岐した管が中腸に繋がっているが、真っ直ぐ伸びているのは腹部に入って二つの袋(そ嚢?)になっている。中にイガイガのある丸い玉がぎっしり詰まっていたので食べた花粉だと思う。
中腸は吸収と分泌が主な役目らしいが、まだ中身が残っていたので画像では不鮮明だが顕微鏡では二重構造がよくわかった。

また気持ち悪いことを書くが、この虫は捕まえるときも緩慢な動きだったし、すぐに死んだので変だなと思いながら、水中で解剖を始めたところ線虫の泳いでいるのが見えた。透けている腹部をよくよく見たらどうも線虫がうごめいているようである。即エタノール漬けにして日をおいての作業にしたが、内部に沢山の線虫の死骸が見つかった。
人間は特にそうだが、ほ乳類は少ない子供しか作らないので、テレビなどで子供が死ぬ場面を見ても深い悲しみを感じる。しかし、生物一般は子供は死ぬのが当然で、それでも子孫を残すには大量に子供を作る。むだが多い非効率のものが生命の本質だ。と、どこかで読んで頭にこびり付いているが、線虫に寄生されたハナアブを見て、生き物は生を全うするのは実に難しいのだと、またまた実感させられた。


2013.10.25

あれこれ307

前回のハチのスケッチである。ヒメバチと思っていたが、寄生バチのサイトを見たら翅脈からするとヒメコバチコマユバチのようだ。体長0.28センチメートル。どちらにしても寄生バチは変わらない。
産卵管は0.16センチメートルの長さだが体に比べれば随分長いので肉眼でも目立つ。この長い産卵管で体をくの字に曲げて樹皮下の何かの幼虫に卵を産み付けるのだろう。
翅は羽ばたくとき以外は重ねて腹部の上において動き回っているが、細腰の様子が不鮮明になるので持ち上げているように描いた。


2013.10.20

あれこれ306

ヒメバチの仲間だと思うがこのハチも前回と同じ場所で、葛の葉の裏にいた。
3ミリにも満たないような小さなものである。しかし、こういう小さいものには立派な彫刻を身にまとっているものがいる。このハチは、頭と腹部の大部分はつるりとあっさりしたものだが、その他は複雑なものであった。
実体顕微鏡では細かいところは見分けられないので金属顕微鏡を持ち出して記録した。金属顕微鏡はピントの合う範囲が狭いし立体感もないので、見たとおりに描くと全体はまるでわからないものになる。それでピントをずらしながら想像力で本来の形を復元する作業になる。時間はかかるが正しいかどうかは定かでないものができあがるというわけだ。
それでも出来あがったものをしげしげと見ていたら、角や縁は梁を渡し、内部は小梁を掛けたところもあり凹凸をつけているところもあるのがわかった。たいした造形力である。
自然は意味のないことはしないだろうから、何かわけはあるに違いない。非常に薄い外骨格なので補強でいれた。というのはすぐに思いつくが、小さいものでもつるりとしたものもいるし、このハチでも全身に彫刻されてはいないので違うような気もするが、胸は翅を動かすために筋肉がびっしり入っていて強烈な力を受けるので、そうかもしれないなどと下手な想像を巡らした。


2013.10.15

あれこれ305

ヌカカを捕まえた場所は気長に待っていると小さいものが捕まえられる。これもそのようにして捕らえたハエ。
0.35センチしかないからごく小さいが、ズングリしてハエとすぐわかる。全体に赤い色で珍いが、翅脈を見るとどうもフンバエのようだ。
卵から幼虫時代は糞の中で過ごし、成虫になると肉食の生活をしているらしい。
汚物の掃除屋さんと思えば感心なムシだということになるのであるが、やはり一度持ったイメージは変えられず有り難くない獲物だったという気分になる。


2013.10.10

あれこれ304

昆虫をひたすら見て描くことを続けているわけだが、パーツをしっかり認識しないと見損なったり、効率が悪かったりするのにやっと気付いた。
今頃気付くのものんびりしたものだが、図@タマバチの1種の側面図(北驫ルの学生版昆虫図鑑)と昔描いた図Aと図Bを比較してみた。
図Aは横正面なのでなんとなく分けられているように見えるが、図Bは中胸側板、後胸側板と前伸腹節などの関係が曖昧なのがはっきりわかる。仕組みを理解してないのが歴然だ。
昆虫の翅を動かす仕組みは2種類あるそうだ。一つはトンボのように翅の基部に着いた筋肉で翅そのものを動かすもの。もう一つは外骨格の形を変形させて翅を動かすもので、ハチは後者であるそうだ。
働きアリは飛ぶのをあきらめているのでハチのように胸部のパーツが動く必要はない。逆にがっちり付いていた方が力が出せそうだ。それで融合して境がいまいちわからなくなったようだ。
それでも前胸だけは別にして、向きをわずかに変えたりなど細かい動きに対応しやすいので、残りの部分と切り離しておいたので、その境はよくわかる。などとまたしても妄想を繰り広げてしまった。


2013.10.05

あれこれ303

前回のはヌカカ(糠蚊)の一種らしい。とても小さくて網戸もくぐり抜け、人や動物を刺すけしからん奴だった。
絵に描いたのは0.25センチだから網戸はくぐれないし、また、雄でもあるので刺されることはないが、雄がいれば雌もいる道理だから捕まえた場所は安心は出来ないのだ。
花穂に頭を突っ込んでいる写真もあったから、成虫は花密を餌としているのだろうが、幼虫は水の生活でボーフラのようではなく線虫のような形態だというからごく小さいプランクトンや細菌などを食べているのだろうか。


今回も小さくて0.25センチしかない。イエバエとハナバエの翅脈の違いを克明に解説していたサイトがあったが、ハナバエのものと一致するようなのでハナバエの一種だろう。幼虫は植物の根などを食べる害虫との解説もあった。

このハエは暗色のところはビロードの感じがある。透明な細かい毛にびっしり覆われているからだと思われるが、頭の一部を拡大してみた。長い刺毛は溝が掘られており根元はしっかり補強されている。昆虫の体は拡大すればするほど素晴らしい。


2013.09.30

あれこれ302

翅が2枚に平均棍が2本だからハエ(双翅)目だけは確かだが、そこから先がちんぷんかんぷんである。カやユスリカの雄のように触角がフサフサしているから、これも雄だろう。体長0.25センチメートルと、肉眼では点に近い。
体の特徴は長い触角、短い吸収式の口器、丸っこい胸部に細長い腹部とユスリカに似ているが脚が短いのが違う。
草むらに葛が被さったところで捕まえたがどんな生活史をもっているのだろう。脚の短いところにヒントがあるのかもしれない。
脚は全体に短いものの、後脚はある程度の長さはある。脚先を中心に引き寄せて伸ばせば尻はかなり上げられそうだ。前脚を同時に縮ませれば口先を地表にうまくつけられ、地表にある餌を効率よく取れるようにも想像してみたがどうだろうか。あるいは、小さな花にとりつき花粉を食べているのかもしれない。附節をよく見ると内側に曲がっていてしがみつくのに便利そうではある。


2013.09.25

あれこれ301

大きく描いたものが0.8センチ、小さいのが0.2センチの大きさだ。同じようなハチだが大きさは随分違う。
小さいのはもう少し大きくしたものを右下に載せたので細かいところも多少はわかるが、どのみちラフスケッチなので大まかにしかわからないが。
昆虫の種類を見分けるのは至難な技で、追求するのはすっかりあきらめている。いいかげんなものだが、小生の実力はそんなものである。
このラフスケッチは、大がヒメバチ、小がコマユバチだろうと大きさで判断をするぐらいの力しかないので、前回のはヒメバチだろうとしてクモバチとはまったく思わなかったわけだ。
しかし、よく見ると胸部と腹部の付き方など随分違う。そこを追求すればよかったのだが、今回もヒメバチやコマユバチだとの確かさも、実はないのが悩ましいところなのだが。と反省もなく、がばっかりだ。


2013.09.20

あれこれ300

前回のハチはどんな姿か想像がつかないと思うので、横から描いてみた。
この姿勢も自然ではない。翅を分かりやすくするために立ててある。本来は畳んで胸と腹の上にあるわけだ。
ハチの脚は短いのもいるが長いのが多いようだ。このハチは長い。この絵では腿節を横にして体を高くしているが、腿節、脛節を立てて低く構えるのが普通みたいである。前後で違う動きをすれば、頭を上げたり尻を上げたりも自由自在だ。そして、飛行中は体にぴたっと付けているようだ。
それらの調節ができるのは基節が自在に動かせるのも大きいようだ。また、絵ではうまく描けなかったが、微妙に凹凸があって腿節をより近くに納められるようになっている。
脚が長いのには意味があるに違いないと思うのだ。

09.21追記
このハチはクモバチ科のミイロツメボソクモバチとのご教示を川島逸郎氏より頂いた。有り難いことである。
クモハンターのベッコウバチを改めてクモバチとしたそうである。
子育てのためのクモを求めて間知ブロックの上を動き回っていたのだった。
自然界は喰いつ喰われつである。昆虫を餌としているクモも、また、クモバチの子を育てる餌でもあったのだ。


2013.09.15

あれこれ299

ハチ(膜翅)目細腰亜目ヒメバチ科のなんとかと思う。体長0.8センチメートル。
つい先頃、近所の間知ブロックの上をせわしなく動き回っていたのを捕まえた。卵を産み付ける相手を探していたのかもしれないが、それらしき相手は見えなかったので不思議な感じではあった。
翅を広げてこちらを警戒しているようなポーズで描いたが、こんなポーズは実際はしない。翅は行儀よく体の上に重ねている。
頭と胸部は黒いが、腹部は飴色なのを強調したくて不自然だが広げたように描いたわけだ。


2013.09.10

あれこれ298

カメムシ(半翅)目サシガメ科のなんとか。体長1.6センチメートル。
サシガメを初めて見たときは凶悪そうなやつだなと思った。頭は小さいが細長くて蛇的なところもあるし、脚も長くて蜘蛛的だし、一番不気味だったのは、見つけられても逃げないで正面をこちらに向けることだった。
拡大してみると、口器が吸収式だが普通のカメムシに比べるとやけに立派であった。また、体は凸凹が多くて異様な感じである。
やはり凶悪な体つきだったのだ。
ネットで調べると、昆虫ハンターで、こいつに刺されると飛び上がるほどの痛さだとあった。
初見の第六感はあたっていたわけだ。


2013.09.05

あれこれ297

9月1日から7日まで新作家展に展示されているが、自宅の狭い場所で見ているよりも、東京都美術館の天井が高く広い空間で見たほうが、作品の持つ力を判断しやすい。離れて見たときに特にそうである。
協会賞の今井氏の「コア」は ここ 近くでは細部のうねるような小さな形が連続としてているのに引きつけられるが、離れると気付かなかった全体の明暗の調子が強く意識された。
本人の受賞の挨拶では、時間はかからずスッと出来てしまった作品なので賞をもらって善いものだろうか、などと謙虚な言葉であったが、長い間内部に溜め込んでいたものがスッと出てきたのだと思う。
それに比べ小生のは離れると無残なものであった。仕上げの最後になって焦ったこともあるが、凡夫の浅ましさで、賞を取りたいなどと世俗の功名心が頭をもたげたせいに違いない。


2013.08.30

あれこれ296

アブラゼミの殻を分解して気門の位置を確かめてみた。
気門の上はカバーがかかっていて、それを外さないと見えない。
考えてみれば地中で生活しているのだから、気門に泥や黴菌が付かないためには必要なことだと思う。
土の中は空気中に比べれば黴菌の数はとんでもなく多いだろう。のんびりしていれば善い餌食にされるのは目に見えているので身を守るのには必死なわけだ。
万が一入ってきても、免疫力で駆逐するのだろう。人間だと血液中の白血球やマクロファージなどがあるが、昆虫でも体液中にいろいろな抗体があって免疫力の元になっているわけだ。

気門の数は、胸部が3個、腹部が7個で間違いがなかった。大きさは水色の線で囲んだように前胸部が特に大きくて、中胸、後胸と小さくなっていた。腹部は一番小さくて皆同じ大きさだった。
巨大な前脚には大きな気門と言うわけだろう。

ついでに腹部の気管を切り離して撮影した。
中段の写真が正面から見たものと横から見たものだ。気門に近い下側が大きくて、気門から離れているので上側のは小さくなっている

さらに拡大して対物レンズ40Xで撮影した。一見ジャバラ管のようになっているが、内側が滑らかなようにも見えるので薄い膜に太い骨が入っているようになっているのかもしれない。
いずれにしても、曲がりやすく伸び縮みしやすいのは確かだろう。


2013.08.25

あれこれ295

甲虫(鞘翅目)目カブトムシ亜目コガネムシ上科クワガタムシ科クワガタムシ亜科コクワガタだと思う。クワガタの先から尻まで4センチメートルほどあるからかなり大きい。
これも田舎道に転がっていたもの。積極的に昆虫採集をしていないのでこんな大物は滅多にない。
樹液が餌のようなので肉食のオサムシと違ってどことなくのんびりしているように感じる。
眼も子供の愛くるらしさがあると思うがどうだろうか。


2013.08.20

あれこれ294

夏はセミである。抜け殻を取ってきた。体長3.3センチメートル。
川島逸郎氏のサイトで尻の形で雄雌の区別を(8月11日)触角の形で種類の違いを(8月8日)図示してあった。 ここ それによるとアブラゼミの雄のようだ。

成虫が抜け出した前胸の割れ目から白っぽい管が覗いていた。どこで読んだか思い出せないが、脱皮するときは外骨格の他に気管も脱ぎ捨てるとあったのを思い出した。

それで二つに割って内部をみたのが下の図だ。
胸節から太い管が3本、腹節からは細い管が7本?割れ目に向かって真っ直ぐ伸びていた。
幼虫ながら気管の主要な全体を初めて見たことになる。思わぬところで大発見だった。

しかし、不正確な絵だ。科学者にはなれませんと改めて思ったのだ。


2013.08.15

あれこれ293

昨年の「覆い尽くす」と、この絵の元の写真は2006年に撮ったものだ。
すぐに作品にしなかったのは、杉に絡んだ蔦や杉そのものをしっかりと感じさせる描写力がないと感じたためだった。
しかし、いつかは絵にしたいと執着していた。
昆虫のスケッチも5年近く続けているが、昆虫の体は頭と胸と腹に6本の脚、4枚の翅、2本の触角が基本で、丸かったり平べっかったり、細長かったりと変化に富んではいるものの大きく見れば単純なものである。
基本は単純な形だが細部は微妙な変化がたくさんある。また左右対称の体はわずかの狂いでもすぐに分かる。実物の感じを余すことなく表現するにはわずかの狂いも排除するデッサン力が必要なのが分かってきた。
「あれこれ」に載せるための昆虫画だったがデッサン力の強化に役立っていたわけだ。
勤勉とは言えないが休まずにこつこつと続けていたことがこの絵に繋がったのだろう。
天賦の才能は乏しくとも「継続は力なり」と改めて思うのだ。


2013.08.10

あれこれ292

この絵も締め切りが近づいてきた。
木の葉を粗っぽく描いているだけだからサクサクと筆が進んでいるようにしか見えないが、遅遅として進まない。
思うに、植物の形をしっかりと頭に入れ成長の仕組みを理解していれば、幹から枝、そして葉っぱへと次ぎから次ぎに描き出せるのではなかろうか。そうなれば快適に早くできるというものだが、それにはしっかりした記憶力は最低の能力だろう。
しかし、昆虫でも実物を見てスケッチしたものを記憶で描いてみると、ばくぜんとした形が出てくるだけで細部などはほとんど覚えていない。お粗末な絵が出来てくる。どうも小生の記憶力は貧弱なようだ。
そのせいでキチンとした描写をするためには写真を撮り、それを克明に写すということになるわけだ。

冷静に考えると、こんなごちゃごちゃしたところを克明に描くのは実に馬鹿げている。それを、しんどいといいながら忍耐の一字でへとへとになりながら描いているのだから、やっぱり小生は馬鹿なんだろうな。と思うこの頃です。


2013.08.05

あれこれ291

甲虫(鞘翅)目オサムシ亜目オサムシ科オサムシ亜科アオオサムシだろう。体長2.8センチメートル。
田舎道は昆虫が転がっていることがままある。アリに食われて中身がなかったりするが、運がいいと無傷のものに出会える。
昆虫は死ぬ前にエネルギーが足らなくなるのか動けない時期があるようだ。道に転げ出たまま動けなくなったりするわけで、それをありがたく頂戴するわけだ。
このアオオサムシはそうして手に入れたものだが、あまりにきれいすぎて羽化したてのようにも見えた。
原因はなにか。・・・・・うーん気になる。


2013.07.30

あれこれ290

甲虫(鞘翅)目ゴミムシダマシ科スナゴミムシダマシの仲間のようだ。体長0.8センチメートル。
平べったい砂をまぶしたような褐色の地味なムシで、前回のキマワリと同じ科と思えないほど印象が違う。
似ているところは、大アゴが朽ち木など腐食質のものをかみ砕くのにふさわしいような短くて太いがっちりしたものとか、触角の上が庇状に出ていること、それに附節の数が後脚だけが1ヶ少なくて4ヶになっていることだろうか。
頭に比べて体が大きいのも特徴だが、腐食質のものが餌ならあんまり頭はつかわなくても餌にありつけるが、腐食しているとは言え消化の悪い植物を食べるのだから、消化器官は立派でなくてはいけないわけだなどと考えたがどんなものだろうか。


2013.07.25

あれこれ289

甲虫(鞘翅)目ゴミムシダマシ科キマワリ亜科キマワリで間違いないだろう。体長1.6センチメートル。 真っ黒の丸っこいボディーに長い脚で勢いよく歩いている特徴あるムシである。
和名は「木廻」で、木の廻りをよく回っているかららしい。幼、成虫共に朽ち木が餌だそうだ。
前にも描いて「あれこれ2010.05.25」に載せてあるが、そのときは真横から描いたので顔つきに気づかないまま描いていた。体に比べて小さい頭なので注意が向かなかったようだ。
しっかり見ると、大きな複眼が正面を向いていて髑髏を思わせる不気味なものだった。
植物食で穏やかなムシのはずだがご面相は凄みをきかせていたわけだ。


2013.07.20

あれこれ288

林の絵も少しずつ進んでいる。
ごちゃごちゃした絵だから適当に筆を振るえばいいというわけでもない。
実際の感じがでれば問題ないが、絵空事になって終わりだ。と思う。
それで愚直な描写に徹するわけだが、徹しきれると大いなる力を持つと信じて進めているわけだ。


2013.07.15

あれこれ287

このムシは体長0.4センチしかないが、散歩の途中で蔓性の葉の根元にいた。黒い点に細い脚が線のように出ていたのをめざとく見つけて、プラケースを慌ててかぶせたので飛び立たれてしまった。しまったと後悔したがすぐに戻ってきた。今度は慎重にかぶせてめでたくゲットしたわけだ。

ゾウムシの仲間のようだったが鼻が短かったり、体がズングリしていて少し違う感じもあった。
ネットで調べるとゾウムシ上科オトシブミ科ルリオトシブミ属らしい。

いろいろな木や草につくらしい。葉を食べる植物食性だが作物は食べないので害虫扱いにはなっていないようだ。
しかも、葉を切って巻いた揺籃で幼虫を育てる平和なムシだった。
CombineZPの深度合成で小刻みに動いている触角はぶれた。


2013.07.05

あれこれ286

顕微鏡を覗いてすごいなあと思うのは今日の画像のような構造に気付くときだ。
ハチの翅はバラバラに動いているんじゃないんだ。と驚かされるわけだ。

CombineZPで合成したが、いまいち鮮明でないのは残念だが、後翅の前縁に立ち上がったフックは後ろに丸くなっているが、先端は前方に向きを変えている。なかなか芸が細かい。

上のフックは7本で0.27mmの長さの間に並んでいた。ここには載せないが、相手側の前翅のまくれている長さは1mmであったので、左右に引っかける長さ程度の余裕をもっているのもわかった。

生命はじつに素晴らしいものである。


2013.06.30

あれこれ285

これもヒメコバチの一種だと思うが体長0.7センチメートルで前回のよりよほど大きい。
翅の結合具合を確かめるために確認しやすい大きさのものを調べたわけだ。
結果は丸印の後翅の前縁に、 7本のフックが付いていて、前翅の丸印のところは縁を折り曲げてフックがかかるようになっていた。
前回のものも改めて金属顕微鏡で子細に見たところ、しっかりとフックはありました。ただ数は少なくて2本のみでした。まあ小さいぶんだけ力もかからないし余計なことはしないということだろう。
実体顕微鏡もしっかりしたものを使っているが、0.2センチメートルのヒメコバチのフックを見つけられなかったように微細構造を見分けるにはいまいち不満が残る。アポクロマートの対物ズームで100倍ぐらい拡大できる超高級実体顕微鏡が欲しくなってきた。


2013.06.25

あれこれ284

前回のヒメコバチを標本画風に描いてみた。

このハチが小さいのは翅に翅脈がないので分かる。
骨で補強しなくても十分な強度があるほど小さいというわけだ。

ハチの翅は後翅の前縁にフックがついていて前翅の後縁に引っかけて一体化するようになっている。それで前後がぴったりついて、あたかも1枚のように振る舞うらしい。

ところが、このハチはよく見てもフックになっていなかった。

フックが伸びて普通の刺毛になったのか、なくても不都合がないのか謎である。


2013.06.20

あれこれ283

金属光沢のムシもいろいろいるなあと感心させられる。

このハチは体長0.2センチメートルでやっと眼に入る大きさだ。
注意して探すので見つかるが、見つけてもただの黒い点でしかない。
ところが拡大すると光り輝く上に立派な彫刻まで持っていたというわけだ。

ヒメコバチのEntedon属というらしいがネットでは電子顕微鏡写真なども出てきた。
興味を持っている人たちが結構いるということだろう。
何とも言えない美しさをもっていると見惚れてしまったのだ。


CombineZPで合成


2013.06.15

あれこれ282

今日は去年の10月25日にも取り上げたディプロネイスの仲間である。

顕微鏡で撮った写真は凹凸の沢山ある賑やかなものだが、表面は案外にさっぱりしているようであるので、上の絵のように想像してみた。もちろん真偽のほどは定かではないが、そんなに間違っていないとも思う。

とはいえ、生きているときはこんなものではない。殻はガラスみたいなものだから透明だし、中身の葉緑体が茶黄色に透けて見えるし核とかの他の有機物もある。

中央にたて溝がある種類は羽状目といって胞紋から粘液をだして水草の根元や石などにくっついて暮らしているらしい。
そして、たて溝の内側に筋肉の代わりにタンパク質の繊維が並んでいて、また、たて溝から粘液を出してレール代わりにしてタンパク質の繊維を収縮させて滑るように移動するとのことである。

水中を浮遊するのがフランクトンで、底で生活するのはペントスというらしいので、珪藻は植物プランクトンだと思っていたが、実は羽状目はプランクトンではなくてベントスが本当なのだろう。


2013.06.10

あれこれ281

画像の珪藻は去年の11月10日にも取り上げたがDL-TESTにあるディプロネイスの仲間である。
当時はあっさりした胞紋だと思っていたが、「本日の画像」にどう見てもこの珪藻の部分と思われる画像があって、「珪藻には思わぬ細かい微細構造があるのをお忘れなきように。」というのがあって、大きな丸の中に小さな丸がいくつもある画像が載っていた。

それでNA=0.95のアポクロマート40Xで見えるか挑戦してみた。
結果は下段の画像のとおりで、「鮮やかに見える。」にはほど遠いものの、間違いなく細かい胞紋が見て取れた。

細かい構造が見えるようになると珪藻プレパラートの楽しみは増えるとのことであったが、たしかにここまで見れたと興奮してきたのだった。


2013.06.05

あれこれ280

BS放送で放送大学が見れるのに気付いた。45分で15回が一講座である。
絵の人物は「自然を理解するために」第8回「化学の世界」濱田嘉昭教授である。
水について述べられていた。
地球と生物にとって水はいかに大事な役割をはたしているか。それが、水の温まりにくくて冷めにくいことや、氷は水に浮くことなどの性質によっていることなどが解説された。
そして、なぜそういう性質があるのかは化学の力で分かるというわけだ。
水分子は酸素1ヶと水素2ヶから出来ているが、酸素のところが−、水素のところが+の電荷に偏った状態になるそうだ。そして+と−は引き合うので水分子は「水素結合」でくっつき合って、びっしりと詰まったままどんどん組み合わせを変えると液体の水になり、六角形の形にがっちり固まると固体の氷になるそうだ。固体は液体に比べるとがっちりしているが隙間だらけで密度は低いというわけだ。
氷が水より重いと大変だ。一度凍った氷はすぐに海底に沈んでしまう。つぎからつぎに沈み込んでついには海は凍り付いてしまう。氷が水に浮くという性質のおかげで生物のいる地球がある。ということを昔読んで印象に残ったが、今になってそのわけがやっと分かったというわけだ。
ところで、この先生はとぼけた先生だった。講義の終わりにコップを取り出して、この中の18mLの水は6×10の23乗個の水分子がある。宇宙の星の数とほぼ同じだ。といって、のどが渇いたので飲ましてもらいますとぐっとミニ宇宙を飲み込んで終わりにしたのだった。


2013.05.30

あれこれ279

9月の新作家展は昨年に引き続きツタに覆われた樹木を描こう。
この場所は県道沿いの放置された杉林で、箱根の斜面を横切るように道路があるが、斜面を削って道路を造るのではなく、盛り土をして道路ができているので、下側斜面の歩道の手摺りの下は擁壁になっている。まるで展望台から見るようにこの林を見るわけだ。
ここは随分描いてきた。蔓に絡まれた、あるいは木蔦の葉に覆われた一本の杉に集中したものは、複雑に絡みあったつるや覆い尽くされた葉っぱの1枚1枚がはっきり分かるので評判がよかったものだ。
今度のものは、葉に覆い尽くされたものの間から蔓に絡め取られようとしている木立を覗き見るような場面だ。
これを100号2枚に分けて描き始めたが、この場所を描くのもこれで終わりになると思う。デテールと構成がマッチした集大成のような作品になることを祈るばかりである。


2013.05.25

あれこれ278

ハエといえば不潔な害虫のイメージだろう。ズングリした体にハの字に広げた翅でうるさく飛び回っている。小汚い色をした目障りなムシと言うわけだ。

写真のハエはアシナガバエの仲間らしいが0.3センチほどのごく小さいムシで玄関のカラーの葉にいたのを捕まえた。
脚が長くて細長い腹部のスマートな体つきで、金属光沢が美しいのがアシナガバエの特徴みたいだが、このハエは、体つきはズングリしていてハエそのものだし、脚も短い。胸と腹の金属光沢もいまいち鈍くて美しいとはいいがたい。しかし、複眼は鮮やかな緑である。
ハエとアシナガバエの特徴を合わせ持つので、アシナガバエの仲間としては進化の初めにいたのかしらんなどと空想するのは楽しいものだ。


2013.05.20

あれこれ277

@のキンベラはDL-TESTをアポクロマート40Xで撮影したが、大きさは190μm×50μmでかなり大きい珪藻だ。Aはその中心部の詳細で、溝の幅は1μm程度である。この溝の縁にわずかに黒く細い点々が見えたが、これが開口部に違いないと思った。
これを裏付けるようなMWS「本日の画像」5月14日は仰天ものの画像だった。Cはそれを模写したものだが、細いうねうねとした切り込みが刻まれている。小生の技術ではぼんやりとしていたものが明確な形を表したわけだ。
しかし、Cの画像は不思議だ。生物顕微鏡で透明な珪藻を撮影しても電子顕微鏡みたいに表面をきれいに写せない。影がでて内部が見えてしまうのである。ところがCはどうみても表面だけが写されている。照明法だけではなく画像処理も併用しているような気もするが信じがたい画像である。

それはともかく、キンベラ(クチビルケイソウ)は付着性の珪藻だそうだ。これもMWSの模写だがBのように足を出して群体で生活しているそうだ。激しい水の流れにも会うだろう。丈夫な殻が必要とみえて、Dの絵のように厚い殻に溝を掘り薄くなったところにCのくねくね模様でスリットを刻むわけだ。
つまり、あっさりしたCを裏返すと複雑なDになるわけで、軽く頑丈な殻ができて、かつ外界ともスムーズに連絡できる優れもので身を包むというわけだ。


2013.05.15

あれこれ276

3月20日掲載のスタウロネイスを撮り直したもの。
オリンパスBH2を3眼鏡筒にしてカメラもソニーのミラーレス機を求め本格的な顕微鏡撮影が出来るようになった。
張り切って撮ったものを3月20日にのせたが期待していたほどの出来でなく、実のところがっくりきていたのだった。

変な写りは見るべき人が見れば原因はすぐ分かるのだろうMWSから鏡筒長があっていないのではないかとの助言をいただいた。
頂いたデータを見るとネットオークションで求めたアタッチメントの長さの倍ほどは必要のようだった。

改善した結果が今回の画像だ。天と地の違いがある。独力では解決できなかったろう。危ないところだった。
MWS様々である。


2013.05.10

あれこれ275

普段見るアリは翅はないのであっさりした胸部に見える。しかし、雄アリは翅を持っているせいか分かれ目も多く、かつ単純な線でもなく複雑な胸部だった。

昆虫の祖先は足の多い節足動物だそうだが、腹部の脚は退化して無くなり、前部は口器の大アゴや小アゴ肢などに変化して、胸部の6本のみが残ったのだそうだ。翅は外骨格が変化したものらしい。

ハチやアリの膜翅目はさらに腹部第1節が前伸腹節として胸部に合体し、アリはその上に腹ネというくびれを持っている。意味があることだろうが想像も付かないのは残念だ。


2013.05.05

あれこれ274

珪藻の絵はしぶとく描き続けている。
思想を固めろと言われても出来ない注文だが、若い頃から現代美術はすきだった。
あこがれていたのだろう。いまそれが猿まねの状態で出てきたに違いない。
大それた願いで、出来もしないことをやっていると、ひんしゅくをかっても人畜無害で人様に迷惑をかけるものではない。・・・などと考えてあきらめないでやっているわけだ。

絵は不思議なもので、全体が汚れたような色で描かれていても妙手にかかると、ハッとさせられる輝きを持っている。
この絵の場合は、平滑な面に珪藻たちが輝いて浮き上がっている状態になれば、多少なりとも見栄えがするに違いないと、思想の追求はともかくとして時間をかけて形の追求をしているわけだが、ちっとも進んでいかない。家の者に変わって無いじゃないのなどと言われてしまった。


2013.04.30

あれこれ273

玄関先のカラーの葉にとまっていた、頭の先から尻まで0.5センチメートルの小さなムシ。
薄茶色の細長い地味なムシ。
しかし、よくよく見ると面妖なムシだった。
翅は4枚でハエではない。上翅は柔らかいので甲虫ではない。独立した前胸部でハチではない。
口器は咀嚼式でセミやカメムシでもない。
カゲロウの仲間かなとも思ったが見た印象はかなり違うし、目も分からずじまい。
なんにせよ、不完全変態から完全変態に変わった頃のムシではないかと思うのだ。


2013.04.25

あれこれ272

オドリバエの一種だと思う。 体長0.7センチメートル。
ハエとは言え機敏さは無いようだ。異様に長い後脚、尻の交尾器も目立つ大きさだし面妖なハエである。

口器はグンと突き出ているが、この頃は驚かなくなった。頭が小さくて収納式では収まりきれないし、脚が長いのにあわせて伸ばしたのだろうなどと考えられるようになったからだ。


2013.04.20

あれこれ271

花が咲くとミツバチがやってくる。
飛んでいるのは捕まえられないが、花に頭を突っ込んだところを捕まえるわけだ。
花粉を集めるのに忙しくて円筒形のプラケースをかぶせられても気がつかない。フタをするのに花が邪魔になるくらいで難なく捕まえられる。

上のハチは0.9センチメートルで下は0.5センチメートルなので一回り違う。最下段の写真のとおりである。
大きさが違うが形はよく似ていた。

図鑑を見るとこのハチはミツバチかも怪しくなってきた上に同じ種の大きさ違いか、あるいは別な種かと新たな疑問まで出来てしまった。


2013.04.15

あれこれ270

甲虫(鞘翅目)目コメツキムシ科ハナコメツキ亜科コハナコメツキらしいが、コメツキムシは日本だけで約600種あるらしいのであてにはならない。体長0.5センチメートル。ただ、普通見かけるのに比べるとズングリしているし、頭部の出方が少し多いような気がするので変わり種だろう。

小生の壁紙は川島逸郎氏の叩頭蟲 ここ(リンク先がなくなりました。)  (コメツキムシのこと)である。なにげに毎日見ているわけだ。初めは上品でキリッとしたものだと眺めていたが、あるとき、左右完璧な対称図形であることに気づいた。つまり観察している個体を追求しているのではなく、そのムシの標準形を追求していたのだ。標準形は均整がとれているので、人間で言えば美男美女を描いていることになるのだろう。そのムシの細部と全体を余すことなく把握し描き表しているすごい技量だと改めて感心した。

小生にはとても出来ない技で、正確に描こうとしてもどうしても歪んでしまう。それをはっきり自覚させられた。しかし、よくよく考えてみれば、その歪みの中に私の個性が出ているのかもしれない。


2013.04.10

あれこれ269

ユスリカをグリセリンで封入して一時プレパラートを作ってみた。
不思議なことに外骨格が透明になり内部が見えてきた。
ユスリカは緑や橙の色が付いていて華やかなものだが、見えているのは内部の色で外骨格はほとんど色が無く、グリセリンと同様な光の屈折率を持っているのかもしれない。

昆虫の呼吸は胸部の2対と腹部の体節毎にある気門を出入り口にして全身に張り巡らされた気管でおこなっていると、いろいろなところに解説してある。

しかし、その他に気嚢という袋があるようだ。アワアワになっているところがそうに違いない。気管も見えているのは空気が残っている場所でグリセリンが入ったところはほとんど見えない。気門、気嚢、気管のつながりを一生懸命に見たが全く分からないで終わった。気管の全体像を明らかにするのは難しいわけだ。また、新鮮空気と汚れた空気をどう入れ替えるのか解説してあるのは見つからないし、謎は深まるばかりだ。


2013.04.05

あれこれ268

昨日の雨の後で爽やかな晴天になった。昆虫も元気よく出てきている。
玄関先の植え込みにカラーがおおきな葉を広げている。この上のシャリンバイにアブラムシがいて密を落とす。この密とアブラムシそのものを目当てとして昆虫がやってくるようだ。
隣家のフキにもいろいろな昆虫がやってくる。
その2カ所で、朝方と昼過ぎにちょこちょこと捕まえた左の絵の5匹が今日の成果だ。
上の2匹がコマユバチの仲間。
次が、上からでは頭が全く見えない円柱のようなコガネムシ キクイムシの仲間と、後脚が巨大でぴょんぴょん跳ねるハムシの仲間。
最下段がコメツキの仲間でこれが一番大きいが0.8センチメートルしかない。
肉眼ではこれだけが、かろうじて昆虫らしいが、他のものは0.2から0.4センチメートルでごく小さいものである。

小さい昆虫は初めは全く眼に入らなかったが、この頃では、この小さいものたちに興味をひかれている。
生物世界の主役は幅をきかせている大きなものではなく、圧倒的な数の微生物たちで、昆虫も小さい連中がものすごくいるのではないかという気がしてきた。


2013.03.30

あれこれ267

知人が出品しているので、新美術館の日本アンデパンダン展にいってきた。
見ていくうちにだんだん気持ちが重くなってきた。3.11関連の作品が多かったからである。
もう2年が過ぎたというのに、津波の復旧は遅遅として進まず、福島原発は使用済み燃料の取り出しさえ出来ず、増え続ける汚染水の仮設タンクが敷地いっぱいになってしまった。

そんな作品群の中に、マーシャル諸島のエニウェトク環礁につくられた核実験による穴ぼこと、核汚染された機器や除染した表土などを埋めこんだコンクリートのルニットドームを取り上げたものがあった。
巨大で薄べったいコンクリートドームは何とも言いようのない存在感があった。しかももう余所事ではない。

今の世はグーグルアースでどんなものか確認できる。巨大な環礁を拡大しながら見ていくと、整然と植えられた椰子林に飛行場と学校、住宅が点在している人のいる島のずっと北側に絵のようになっているのがあったのだ。


2013.03.25

あれこれ266

去年の10月30日に横から見たものを出したが今回は正面からだ。ハエ(双翅)目のオオハナアブらしいが体長1.5センチメートルあるので、まあまあ昆虫らしい大きさである。
ハエの仲間は複眼が大きい。特に雄は上部がぴったり付くようなのでますます大きい。
飛翔能力が高いのと併せて視認力もひときわ高くなるので、餌やら雌やらを見つけ出しやすいのだろうか。
ゴミも付くのだろうか手入れをよくしている。前脚を持ち上げて頭を素早く、くるくる回しながら表面をなでているのを見るのは楽しいものだ。


2013.03.20

あれこれ265

MWS珪藻プレパラートDL-TESTにあるスタウロネイスの全体像と部分切り出しである。
大きさは250マイクロメートルなのでかなり大きい種類だ。
対物レンズはニコンの補正環付きアポクロマート40Xの高級品である。新品だと目玉の飛び出る高価な品物でもネットオークション品は何とか買えたが、どんどん顕微鏡沼に引き込まれていくようだ。


2013.03.10

あれこれ264

ハエもいろいろだ。派手なものもいれば地味なのもいる。
なんでもそうだと思うが、絵を描くのも思うようにはならないものだ。それで苦しくなってくるとついつい家の周りで昆虫採集をしてしまう。
昆虫の生活で長いのは幼虫時代ではないのだろうか。成虫時代は短かくて子作りに専念しているのではないか。子作りを効率よくするには一斉に羽化して配偶者を簡単に見つけるのが一番だ。
短時間のうちに、羽化仕立てのような腹ペチャのハエを3匹捕まえて1匹逃げられた。残った2匹をよくよくみるとつがいだった。それで、こんなことを考えたわけだ。


2013.03.05

あれこれ263

ハエもちらほら現れてきた。
0.5センチほどの大きさなので茶色っぽい小バエだな、ぐらいで捕まえるが複眼が美しいものいる。
立体写真は専用のカメラ以外だと、しばらくじっとしてもらわないといけないが、複眼の色ものこりながら動けなくなったので普通のカメラで撮れたというわけだ。


2013.03.02

あれこれ262

珪藻の絵は隗展に出品したが不本意な出来だった。皆の反応も悪かった。当然だ。
実物の光り輝いている様子はとても表現できないと腰が引けてしまっていた。気弱な心が正直に出てしまったのだと思う。
なんとしてでも表現するんだという強い気持ちが無くてはいけない。と覚悟をして全面を薄いグレーで塗りつぶした。とはいえ、厚く塗るのではないから形が消えるわけではない。ここからホワイトで明るいところを描き起こしていくわけだ。
デリケートさが命の絵である。気が緩むと粗放になってしまうので神経を使うしんどい作業が続く。無論これで終わりではない。この上に暗色でグラッシュをして落ち着きを出し、また、影を強める作業が待っている。しかも、その繰り返しが必要になるかもしれないのだ。

考えるのはよそう、とにかく進んでいくだけだ。


2013.02.25

あれこれ261

まだまだ寒いが、日当たりがよくて風がなければなかなか暖かい。そんな日にごくごく小さい虫たちが現れてくるのに気づいた。
日の当たっている家の外壁を探すと、このムシがいた。体長0.2センチメートルでほとんど点であるがめざとく見つけられるようになっているのだ。
脚の細長いのはカのようだが、口器は吸収式ではあるが針状ではないのでカではない。触角が長くて数珠のようなのでガガンボでもない。無論ハエやアブではない。
この正体不明くんは、鮮やかなオレンジの体に巨大な平均棍を持っているので双翅目だが、この手の小さな双翅目は水の中にいるのでないかという気がしてきた。幼虫時代を家の排水管で過ごし、暖かくなると羽化して家の周りにいるというわけだ。あたっているだろうか。


2013.02.20

あれこれ260

アブムシはめでたく成虫になった。葉っぱを一枚入れてあげただけだが、しっかりと口吻を突き刺して吸汁している。これから羽ばたいて新天地でせっせと子供を産むわけだ。
性があって受精しないと生殖はできないような気でいたが、生物界は単細胞では細胞分裂して増えるし、多細胞でも単為生殖はたくさんあるのだそうだ。そして、配偶者の必要のあるなしでは倍々で増え方の差がでるので、世代を重ねると猛烈な差になるのだそうだ。
アブラムシの場合は、単為生殖をくりかえしてどんどん子孫をつくるが、これを餌にするものも多い。植物食のものが多くいてもらわないと動物食のものたちは困惑するということなのであろう。そして、わずかに生き延びたものたちが有性生殖をして新しい遺伝子の卵を産んで子孫をつなげていくわけだ。

アブラムシが群れをなしてたかっている草を見たときは、ただただ気持ち悪いだけであったが、昆虫に親しむようになって、肉食の大型で立派な昆虫たちはこのようなものがいないと存在できないのに気づかされた。食物連鎖の言葉だけは識っていたが、身近なところで激しく行われていたのだ。


2013.02.15

あれこれ259

@はトビコバチとかヒメコバチとかいうのだろうが、名前は全くお手上げな膜翅(ハチ)目の全身写真。
体長0.2cmでほとんど点であるが、カラフルでなおかつ外骨格の表面は複雑な凹凸模様で刻まれていた。

A-1は胸部を上から撮ったもの。
A-2はA-1の中央部の拡大。
B-1は腹部を上から撮ったもの。
B-2はB-1の中央部の拡大。
写真では見えていないが、多数の棘毛がある。

自然は意味なく形を作ることはしないと思うが、この小さい体にこれだけの細工をしたのにはどんな意味があるのだろう。


2013.02.10

あれこれ258

この時期は葉の裏を探すと何か見つかるようなので見てみると、アブラムシがいた。葉ごと持ってきて、スケッチをしていたらごそごそと動き始めた。少し移動して静止したがどうも様子が変である。背中が割れているようにも見える。

そのうち頭が前に出てきた。なんと脱皮を始めていたのである。

2、30分ではないかと思うが全身を現したので、なにが変わったかとよく見たが、体長はあまり変わらないようだ。腹部は横に広がって翅があるのがはっきりした。触角はずいぶん長くなった。脚も長くなったようである。

有翅のアブラムシだが、まだ成虫ではない。もう一回脱皮するのだろう。



というわけで、スケッチは途中でおしまい。最後の画像は深度合成したがアブラムシくんは微妙に体をゆらしているので怪しげなものになったのだ。


2013.02.05

あれこれ257

甲虫(鞘翅目)目ゾウムシ科モンアシブトゾウムシというらしい。体長0.3センチメートル。
ここのところ暖かい日が続いたので、昆虫もわずかながら見られた。家の外壁に点がついていたので確かめるとゾウムシらしい。容器がなかったのでハンケチに移した。幸いに飛びたたなかったのでスケッチ出来たわけだ。
ゾウムシの脚は棍棒みたいだが、こいつの前脚はとりわけ太く、しかも、棘がでて非常に目立つ。この特徴で調べやすいとだろうと、ネットの「日本産ゾウムシデータベース」で調べてそれらしいものを見つけたのだ。


2013.01.30

あれこれ256

立体写真はおもしろくて熱が入った。正面から写すと迫力があるとハエを試みた。撮影枚数が少ないせいか、滑らかな背面が凸凹になったのはご愛敬である。
立体写真は乾燥したものを撮影したが、下段は生きているときのものである。同じ個体かと疑われるほど違っているが、赤銅色と緑色に輝く複眼が美しかった。
ハエの名前は全くお手上げだが、体長0.6センチほどの小バエで、蛹などに寄生するヤドリバエの一種ではないかと思う。


2013.01.25

あれこれ255

ミツバチの一種だと思うが体長一センチメートル程度の昆虫らしいハチである。
同じようなものを4カットも載せてなんだと思わないでもらいたい。
昆虫の全身にヒントをあわせて写真なんかはまず撮れないが、全身を克明に写しているサイトがあった。ここ(リンク先がなくなりました。)  CombineZP使用の記載があり数十枚を深度合成していた。その上に立体写真まで登場したのには驚かされた。
驚きついでに、また猿まねをしたというわけだ。 小生のは300万画素程度の10枚程度を合成しているので甘い像であるが、処理時間は吃驚するぐらい早かった。
立体写真は視線を交差させる交差法と平行にしてみる法と二種類あるらしいが、上段は交差法で右目で見た像を左側にしてあり右目で左側の像を見ると。下段は左右を入れ替えたので右目で右側の像をみるとキチンと見えるわけだ。 小生はどうしても交差法になるようで、上段はちゃんとした立体になるが、下段は頭が引っ込んで見える。
目は疲れるが昆虫の立体写真を手軽に作れるとはデジタル恐るべしである。


2013.01.20

あれこれ254

ゾウムシをシコシコと姿勢を変えて2枚描いていたが、今日はそれを使ってパソコン上で合成してみた。
2匹の配置と大きさの関係に気を遣ったが、デジタルは試行錯誤が画面上でつぎつぎと表れるので苦労はない。また、それだけでは能がないので背景をグラデーションで色づけした。
元データは電子情報化していたものの、フォトショップエレメントで20分ばかりの仕事だった。しかし、これを1枚の画面で紙でやるとなると面倒な仕事だ。配置と大きさを決めて描き始めたら最後になって、しまったとなっても取り返しはつかない。グラデーションも図柄をマスキングしてブラッシングするような面倒な作業だろうが、このテクニックを持ち合わせていないので小生には出来ない。がデジタルでは簡単に見栄えよくできた。こんなに簡単でいいのだろうかと思わないでもない。げにデジタルは恐ろしい。


2013.01.15

あれこれ253

クモノスケイソウの構造を想像してみたがこの珪藻の入っているプレパラートE-M1は2枚持っている。
このプレパラートは教育用とかで極めて安価に設定されている。その代わり封入材を厚めにして作りやすくしてあるそうだ。
2枚目のE-M1には、小さい珪藻だと斜めになっているものが見える。クモノスケイソウは大型だから破片で斜めのものを探したらあった。Bがそれである。さらに、カバーグラスからはみ出た封入材のなかにクモノスケイソウが立っているのがあった。教育用ならではの現象であるが、はみ出ているのはよく見るものの、ここまで立っているのには吃驚である。これで、想像はそう間違ってないのは分かった。

これから先きは電子顕微鏡写真である。ネットで「Arachnoidiscus」で検索するといくつか出てきた。一様な形ではなくいろいろ種類がある中に不正確な写しだがAのように放射状の梁に小さな横桁があるものを見つけた。ただ、上下2枚ではなく一体化し、側面にも胞紋が見て取れた。長年の疑問解決ですっきりしたのだ。


2013.01.10

あれこれ252

珪藻の観察を始めた頃、写真@とAは同じものか違うものか悩んだものだ。
しかも、@のピントをずらしていくと写真Bになる。
生きた実物を採集してばらしてみれば一目瞭然ではあるが、大きさは0.2ミリ程度のものである。
とても無理とあっさりあきらめていたが、その後経験を積んだので想像してみるに、表面のリブ付き穴あき板にクモノス状の格子板で裏打ちをしているらしい。
@は二枚重なったものでごちゃごちゃしているが、Aは表面の一枚だけなのですっきりしているというわけだ。
単細胞の生き物であるが、少ない材料で大きな強度を獲得するという賢いことをしているわけだ。


2013.01.05

あれこれ251

今描いている珪藻の絵はここまできたが、部分をお目にかける。
絵は全体を見るものだと思うが部分を注目しても絵として成り立つのがいい絵だと思う。
これを見て絵になっているではないかとなれば、そう変な絵では無いかとも思う。
とは言え、この珪藻の散らばりはMWSの奥氏の力量で出来たものである。
珪藻の量を制限して撒けば重なりのごく少ないものが出来るはずであるし、実際、一つの珪藻をキチンと撮影したい人は申し出てもらえればそのようにするとの注記がある。 だとすれば奥氏も珪藻を群れとして見るのに価値を認めて工夫を凝らしているものと思われる。
その上澄みを掬っているので大事なところは人任せであるものの、見えるように描くのは並大抵ではなく四苦八苦しているのだ。


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