あれこれ、日々に感じたことを書いていきます。

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2020.12.30

あれこれ822

MWS「本日の画像」2020.12.28はクモノスケイソウ(アラクノイディスクス)属が取り上げられて、電子顕微鏡でやっと見える微細構造が光学顕微鏡でも可能なことがわかる画像が紹介されています。見え方は違いますが、電子顕微鏡では表面のみの観察に比べ光学顕微鏡では内部構造も含めた情報が引き出せる強みもあるなどとの記述もあります。
小生はそんな画像は無理なのですが、きらびやかなものを撮ったことがあるなぁと昔の画像を引っ張り出したのが今日の画像です。きれいでしょう。理屈は不明ですがアッベ式のコンデンサに自作暗視野アタッチメントをつけたら現れて目を見張りました。懐かしい思い出です。


2020.12.25

あれこれ821

YouTube全地球史アトラスによると生命は、5.4億年前に紫外線が弱まると、それを待っていたように植物が地表に広がりそれに伴って昆虫も地上に進出し共に進化したそうです。そして現在に至るまで脈々と生き続け、恐竜や人類のように地球の支配者にはなれませんでしたが圧倒的な種の数を誇って栄えているわけです。
なぜ支配者になれないのか考えてみました。体が大きくならないので大きな体の生き物にはかなわないからなのではないでしょうか。進化の初め、二胚葉性から三胚葉性に変わるとき、原口を口にするのと肛門にするのとに分かれて肛門を選んだ方が体が大きくなってゆきます。昆虫は口を選んだので小さいからだにとどまっているようです。
しかし、地球を支配した恐竜は滅びましたし、人類も増えすぎて、身勝手な振る舞いも多いしでいつまでも安泰というわけではないでしょう。あんがい人類が滅びても昆虫は生き続けていくのだろうなぁとも思えます。そのようにしぶとい昆虫の小さいハチはこんな顔をしています。可愛らしくもあり、したたかでもありますね。


2020.12.20

あれこれ820

久しぶりに昭和49年に河出書房新社から発行された「新十八史略」を読み返しました。川上尉平先生がさし絵を担当されています。その中から、殷を倒した周の武王に仕えた太公望の釣りの場面です。先生は太さを変えた筆墨で中国古代を生き生きとおおらかに描かれていて神経質で鋭いものはどこにもありません。先生の悠々とした振る舞いがしのばれます。
中国古代、夏の傑は妹喜を、殷の紂は姐巳を喜ばせるために酒池肉林や炮烙の刑など不徳の政治をして民を塗炭の苦しみに落とします。それを正すため徳と力のある諸侯の一人が現王朝を倒して次の王朝を開くといった話が延々と続きます。初見の時は思わなかったのですが、このころは天皇がいないと仮定した江戸時代のような制度のようです。天子が将軍で諸侯が大名でしょうか。なんとなく中国は初めから天子イコール皇帝が全国を完全支配していたように思っていましたが、諸侯は天子に服従するものの領主として地方を治めていたようです。皇帝の称号も秦の始皇帝が六国を滅ぼして中国を統一したときに初めて用いたそうです。


2020.12.15

あれこれ819

Cities: Skylinesから、夜の地下鉄地上駅ホームです。街づくりの最中は俯瞰的に見て作業をしています。駅の中を見ることはできないと思っていました。また、人も豆粒以下でせかせかと動いているのを見ているだけでしたが、都市の中を自由に見て回る設定をすればこのような場面も撮影したり動画でみたりできるのでした。人物はかなり荒い作りですが目鼻もついています。待ってるときに靴ひもを結んだりもします。種類は多くないので同じ人がどんどん登場してきてこの場面でも工具箱を持った女性が二人並んでいるのはご愛敬です。


2020.12.10

あれこれ818

Cities: Skylinesの交差点で信号待ちしている場面です。最近、動いているものの視点で動画が撮れることがわかりました。歩行者の一人を捕まえて視点モードにすると歩いて行く先が次々に現れて建物や人の様子もかなりわかります。見ていて楽しいものです。5千人の小さな町なのでバスもなく、丘の上の住宅地から歩いたり、自転車に乗ったりして中心部に行き来するのがとっても賑やかです。
個人が持てるPCで作り出せるのが驚きです。フォトショップで画像処理するのも、レイヤを多数重ねたりすると重くなって一苦労だったのですからね。


2020.12.05

あれこれ817

1990年に今はありませんが池袋のセゾン美術館で見たアルマンの「ジム・ダインのゴミ箱」です。古びてプラスチックの容器がうっすらと黄色味を帯びてる高さ50cmぐらいの小さなものです。
「現代美術の神話   ソナベント・コレクション:ネオ・ダダからネオ・ジオンまで」のタイトルで開催され、 画商で収集家だったイリアナ・ソナベントと夫が収集した60〜80年代の112作品がありました。
この作品を見たときジム・ダインは怒ったのではと思ったのがよみがえります。ほかの作品は忘れてしまいましたが、この作品と、おびただしい作品群が汚らしい素材も多々あるのにどれも品がよくて洗練されているように感じたこともよく思い出します。
部屋の片隅に転がっていると単なるゴミのようでも、しかるべき場所で鑑賞されるように大事に保管され後世に伝えられてゆくものはそういったものではないかとも思います。


2020.11.30

あれこれ816

人は垂直の壁にわずかな突起があればよじ登れます。人工の壁と突起で速さを競うスポーツがあるくらいですが、さすがに立つことは出来ませんし、つるつるの所ではお手上げです。でもハエはどこでもお構いなしに止まっているのをよく見ますが、実はハチもそのようです。前回の垂直の壁に平然と止まっているのが証拠です。
ハチの脚先は二本の爪と一組の骨組に膜がついているものでできています。正確なところはまだ見切っていないのですが不鮮明な写真から図解を試みたものです。ハエだとラッパ状の吸盤が多数ついている二個の褥盤がありますが、ハチではこの中央の膜が褥盤のように吸盤の役をしているようです。アリも天井でも歩いていますがハチの仲間ですから同じような構造です。


2020.11.25

あれこれ815

昔のもので深度合成しています。水平面にすっくと構えているようですが、実際は垂直面に止まっているものです。半透明の箱にガラスの蓋をした中に閉じ込めたハチを実体顕微鏡で観察、撮影したものです。触覚やお尻を振ったり、上下に微妙に動いたりと、じっとしていないのが通常ですが珍しく動かなかった僥倖のカットです。


2020.11.20

あれこれ814

芥子園画伝樹譜からの王維の模写です。
釣勒梧桐見王維もう川圖・・・輪郭による悟桐。これは王維のもう川図にみえる。(もうは網の糸偏を車偏に変える。)
王維樹法多用雙勾即藤梢樹杪亦絲毫不苟後信昌亦爲之・・・王維の樹木は多くは輪郭を用いており、藤蔓や樹の梢にいたるまで少しもおろそかにしていない。後世、信世昌(元代の人。字は雲甫、中隠と号した。董源を学び山水画を得意とした。)もこの手法を用いた。
王維の作品は残っていませんが模写が広く伝えられたそうです。そして、その手法も長く生き続けたのでしょう。人の心に響くものがあるからだと思います。


2020.11.15

あれこれ813

ネットで似たような姿をさがすとアシナガヤドリバエの仲間のようですが、腹部のふくらみが微妙に違うようで同じものではないようです。種類が沢山あって同定は専門家の範疇です。それでも5年前に捕まえたのと同じだとは言えます。久しぶりの再会でした。
幼虫を産んで落ち着いたのかじっとしていたのを撮影して深度合成しました。お尻を振ったりするので最後までピントの合ったものは難しいのでこの程度でも上出来です。


2020.11.10

あれこれ812

ここのところアブラムシが増えたようで玄関先のカラーに蜜が目立つほど落ちていて、それを目指して昆虫もやってきます。そして捕まえたのが今日の画像のハエです。左は5年ほど前のもので深度合成しています。右が今日のですが、とにかくじっとしてなくてかろうじて写したものです。観察していると小さな白いものが動いています。なんと頭に鉤爪のある子供で3匹いました。寄生性のヤドリバエの仲間の卵はお腹の中で幼虫まで成長しますので生まなければいけない状況だったのでしょう。それで動き回っていたのかもしれません。
(似たハエの記事はここ)   (生殖器の顕微鏡写真はここ、その下に生まれた幼虫の写真があります。)


2020.11.05

あれこれ811

MWS放散虫プレパラートJ482からです。深度合成していない元画像です。肉眼ではこのように見えていて、断面の一部が分かるだけですので、ピントをわずかにずらしながらじっくりと観察して元の姿を思い浮かべるのですが容易ではありません。その難しい作業に深度合成は強力な助っ人です。(深度合成の画像はここ)


2020.10.30

あれこれ810

これもMWSの海産のプレパラート(EM-1)からです。同じ標本でも撮影した日が違いますので条件がすこし違っているのでしよう、こうして並べて見ると色の具合が冷色系と暖色系に分かれていますね。光源のLEDは一個しかなかったので違うはずはないし、カメラのホワイトバランスの設定も同一です。色味が異なる原因がなにかあるはずですが思いつきません。
ピントの合い方とかブレのアリナシなども見られますからカメラの保持のしかたのせいかもしれませんね。コリメート法で苦労していたのを思い出しました。


2020.10.25

あれこれ809

MWSの海産のプレパラート(EM-1)からです。もう8年も前になりますがオリンバスFHA(顕微鏡のスケッチはここ)を入手したときに撮影したものです。古い顕微鏡だからか偏斜照明のできるコンデンサが付いて暗視野もできたので早速試してみたものです。完全な暗視野ではなく左上方から光があたっているようです。この状態でコンデンサを回すと光の方向が変えられて違った絵になります。優れものだと思いますが次のBH2からはこの機能はなくなって別部品を必要とするようになりました。怪しからんですね。


2020.10.20

あれこれ808

Cities: Skylinesは10万人の街に成長して、人も車も物凄い感じになっています。タスクマネージャーのパフォーマンスでCPUやGPUの様子が確認できますのでPCの働きぶりはどうかと調べました。メモリ32Gの内11Gも使っていてメモリ食いのゲームなのがよくわかります。肝心な心臓部のCPUは40% 、GPUは37%です。まだまだ余裕ですね。クロック数が基本2.60GHzが3.23GHzで作動しています。オーバークロックの設定はしていないので最初からそうなるようになっているようです。中華製のLGA2011マザーボードは問題なく作動中です。これで耐久力もあれば立派なものですね。まだ驚異の低価格は維持しているものの安かろう悪かろうの時代は過ぎ去ったのでしょうか。


2020.10.15

あれこれ807

PCが100%で長時間動くのはよろしくないのでゲーム機が欲しくなりました。新品で10万円はするようで、Cities: Skylinesをするのにあほらしいので中古ではと調べると廃棄サーバのCPUとマザーボードを利用したものがヤフオクで出ていましたが結構な値になっています。自作はどうかと調べると中華の通販で新品のLGA2011マザーボードと中古のCPU、メモリのセットが沢山出ていて、高性能になるほど高くなっています。中華のマザーボードは恐ろしくもあったのですが値に負けて最安のものではないですが注文してしまいました。20日ほどして台湾経由で届いたのを組み上げたのがピンボケの今日の画像です。バイオスは古めかしいスタイルですがM.2スロットがついて、8コア16スレッド、クロック数2.6Ghzですが起動時など3.6Ghzまで出ています。メモリ32Gパソコンの完成です。
Cities: SkylinesはCPU20〜30%グラフィックボード40から50%で快適に動いています。高性能のPCを組み上げたのは成功でした。普段使いで不満がない状態でしたが、高性能のものを自作せざるを得ないようにゲームに手を出したような気もします。製品を調べて購入し組み上げるのは実に楽しいものでした。


2020.10.10

あれこれ806

Cities: Skylinesからの一コマです。海には航路がひかれて旅客用の港を作ると100人乗りの客船が寄港します。乗客の数は不定で少ないと素通りもします。時には一度に数艘押し寄せます。そうするとこのようなシュールな世界が出現します。
進行方向に障害があれば止まるかよけるかですが、そうならずに突き抜けるのは、船体の側面は画像に表示されても動きの制御では何もないことが明らかです。思うに、ベクトル値のある船首と船尾の2点が決められた航路を動くように設定されているのではないでしょうか。動いているものは他にも人や車もありますし物凄い数が動いています。点でないと制御しきれないのでしょうね。シュールな世界もまた楽しですが。


2020.10.05

あれこれ805

コマユバチの一種かもしれませんが、5ミリ程度で多少大きくなってきます。種によって寄生先が特定されるらしいので同じ場所で生活していても犠牲になる種が多様であれば蜂も多様な種になるみたいです。昆虫は圧倒的に種数が多くて何故なんだろうかとずっと疑問なのですが、そのような生態のせいではないかと思うようになっています。


2020.09.30

あれこれ804

ヒメコバチの一種かもしれませんが、1ミリ程度のごく小さな蜂です。触角が体からすれば巨大なので小さい虫だと納得していただけるでしょう。この形のままスズメバチぐらいな大きさになって目の前に現れれば恐ろし気に見えるかもしれませんが実体顕微鏡で大きく見ていても動きがスローモーで実に可愛らしいものでした。とはいえ、幼虫とか卵に寄生する蜂の仲間なので、なかなか隅に置けない方なのです。


2020.09.25

あれこれ803

デジタル写真は撮影日が記録されるので 2013-10-22 の撮影なのが分かります、ずいぶん前ですね。ここのところ面倒くさい病にかかりゲームばかりでネタがないので登場してもらいました。深度合成していますが微妙に動くので触角や頭の刺毛がぶれているのがご愛敬です。
2ミリに満たないコバエなので毛深くもなく外骨格も弱弱しくて愛らしいと思うのですが、世の人々は気持ち悪いと思うのかなぁとおもわないでもありません。


2020.09.20

あれこれ802

北欧の都市開発シュミレーションゲーム・Cities: Skylinesです。区域外に通ずる高速道路から道路を引き住宅・商業・工業区域を設定し、水と電気を引き汚水処理をすれば勝手に建物が建ち人と車が活動し成長していきます。それぞれ名前と属性が与えらています。それらをPCで作り出し動画になるというビックリ物です。面白いのは現実世界と違うことも起こります。この場面は信号のない横断歩道で人の群れがバスを通り抜けているところです。まるでSFです。車は前に人がいると停車し、人は車にお構いなしに横断しているようでしたが、よくよく見ていると人もひかれそうになると飛びのいてよけるようです。
このゲームは高性能PCが必要です。小生のはメモリ8Gを使い切り、CPU、GPU共100%近く使っていて辛うじて動いている状態です。世にゲーミングパソコンと謳い上げられているのはなんかいな、などと暢気なものでしたが、こういった複雑なものをなんなく動かすのでしょう。ポケコンの8Kのメモリ増設で感激していたのが夢のようです。


2020.09.15

あれこれ801

わが師、阪本文男先生の「献華」です。前回、バラの言葉を出しましたが先生の作品名が浮かんできます。

「帰ってきたアリスと遊ぼう」
「バラの座」
「余白の系」
「私風景」

と続いて1986年に51歳の若さで逝去されました。

この絵は、それらの前の「造花のバラ」の頃です。「バラの座」よりも赤色が目立つので選びました。

穏やかで丁寧な先生で、作品も静謐なものですが題名も含めて難しいものばかりです。
新潟市美術館での回顧展で先生の作品に囲まれているうちに胸苦しくなってきました。絵を見ててそのようになったことはありません。特別な経験でしたが先生は人の心の奥深くの闇を見ていたのかなあという思いは今も残っています。この絵を見てても画集を見ててもそのような気持ちにはならないのですがその時はそう思いました。


2020.09.10

あれこれ800

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からの珪藻です。このプレパラートは種類が多くて楽しめます。そして変わったものもあります。チューリップを思わせるものが正面を向いたものと横を向いたものが並んでいました。正面のものは柄が折れたのでしよう脇に寄り添っているように見えます。
生きているときはどのような姿なのでしょうか。不思議です。上殻と下殻が組み合わさっているのが珪藻なのですが接合面と思われるものが、つるんとした丸みではなく凸凹していて、しかも薄い。ここで重なっているとはとても思えないのです。


2020.09.05

あれこれ799

鈎葉柳
王維諸唐人及陳居中多畫之余嫌其太板故次於後以備一體

王維などの唐代の画家や陳居中が多くこれを描いている。それがはなはだ平板なのが私は嫌いで、最後に一例として挙げた。

陳居中(南宋、十三世紀初期)南宋寧宗の嘉泰年間(1201-4)画院待詔となる。人物や蕃馬を得意とした。

柳の描き方はこのような葉っぱを描かずに垂れ下がる枝に点々の葉や枝のみで幹はごつごつとして太く存在感があるのが著者の好みのようです。そうはいっても、次の時代にも引き継がれて描かれているのですから無視できないので最後に載せたのでしょう。

山水画を見ると、写実を基礎にしていても木石、人それぞれを記号化し、それが組み合わされて画面が構成されるようです。絵は省略だ。絵は暗示だ。という言葉もありますし、相当に知的なものなのでしょう。


2020.08.30

あれこれ798

ここのところ昆虫に縁が遠くなっています。我が家の玄関先にあるシャリンバイが格好の昆虫採集場所だったのですが沢山いたアブラムシがいつの間にかいなくなり、それとともに昆虫たちが寄り付かなくなっています。真鶴は自然が豊かなのですが全体に少なくなっているようです。不思議です。

10年ほど前に撮った写真ですが1,2ミリ程度のコバエです。金属光沢のものをたまに見ますが、うれしくなります。ギンバエのような、うれしくないのもいますが小さいのは格別です。構造色なのか見る角度によって随分違います。正面から見たところでは胴体は黒に近いですが上からだと確かに緑色です。


2020.08.25

あれこれ797

芥子園画伝の樹譜からの模写です。
釣勒梧桐見王維もう川圖・・・輪郭による悟桐。これは王維のもう川図にみえる。(もうは網の糸偏を車偏に変えたものです。)

王維(唐701?-761)
字は摩詰。官名の尚書右丞に因み王右丞と呼ばれる。詩人として知られ、藍田(陝西)のもう川に別荘を構え、周囲の自然を詠った詩集「もう川集」ほかを残した。音楽にも通じ、絵画は水墨・彩色ともに善くしたというが、後人の作による〈もう川図〉のみが知られる。北宋末、「画中に詩あり、詩中に画あり」と称され、文人画の祖と仰がれるようになった。・・・と注してあります。

玄宗皇帝の高級官僚であり文化人でもあります。中国史にはそんな人がいっぱい出てきます。古典を自在に使いこなせないと科挙を通らないようですので文化人でないと高級官僚にはなれなかったのでしょう。それに加えて画才もあって歴史に名を遺したわけです。文字は書き写されて長く残りますが、現物限りの絵が残るのは稀有ですが、画風の記録や模写で大事に引き継がれていくのでしょう。中国人の息の長さを感じます。


2020.08.20

あれこれ796

芥子園画伝の人物屋宇譜からの模写です。
湖光上緑蓑・・・湖の光が緑の蓑に映える。
有蛟寒可?・・・蛟がいれば寒い日も四つ手網をする。
不思議マークは文字化けして表示できませんが四つ手網を一字で書いたものだそうです。ネットで四つ手網で検索すると出てきます。
漁師さんとも言えないようなのんびりした釣り人で写していて楽しくなります。


2020.08.15

あれこれ795

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からのライレラです。底生で日本沿岸に広く分布するそうです。H型の文様が目立ちますし眺めていて楽しいやつです。こんな風に壊れたものも趣があってお気に入りです。
多分、この方は命を全うして亡骸が海底に落ち、波にもまれてあちこち欠けたのではないでしょうか。生きているままに捕らえられ丸裸にされたのであればMWSプレパラートでは完全な姿に封じられるでしょうし、たとえ欠けたとしても切の良い断面をもってるように思うのです。


2020.08.10

あれこれ794

芥子園画伝の人物屋宇譜からの模写です。
人物は形が狂うとすぐに気づかれてしまいます。見慣れているので敏感になっているのです。
思うようには描けませんので数をこなすわけです。ここでは3回づづ模写しています。
スパっと円滑に筆を運ぶのが理想なのですがモタモタとたどたどしい筆運びがあらわな線ですね。ごまかせません。


2020.08.05

あれこれ793

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からのリクモフォラです。前回のタブラリアに少し似ていて縦溝を持たない種類です。

沿岸域での生態も似ていて細いほうの殻の端から粘液をだして付着し群れをなしているそうです。違うところは群れの作り方で、ここでは殻面しか表示されていませんが帯面は楔型で扇状に連なったものになるそうです。

画像は左は表面を見たところ。右に行くにしたがって内部の下側になります。内部は空洞だと思います。肋骨のように見えるのは上部の形が反映したのでしょう。


2020.07.30

あれこれ792

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からのタブラリアです。披針形で縦溝を持たない種類です。

沿岸域でどんな生活をしているか興味のあるところですが、海藻に群れになって付着しているようです。殻の端から粘液をだして海藻面に垂直にくっつき、物凄く増えると芝生のように海藻表面を覆うこともあるみたいです。縦溝がないのは動いたりしないし直立しているからなのでしょう。

画像は左は表面を見たところ。右に行くにしたがって内部の下側になります。大きめの胞紋の中がどうなっているのか知りたいところですが手も足も出ません。内部は肋骨状のものがあるようにも見えますが、これもはっきりしないままです。ざんねんですね。


2020.07.25

あれこれ791

芥子園画伝の人物屋宇譜からの模写で、お尻丸出しの図は誤りで下ばきをはいているのが本当だと指摘を受けました。

@は新藤武弘訳日貿出版社のもので、Aは中華書房香港分局の出版です。ほとんど同じように思っていましたが顔やプロポーションは結構違っています。

BはAの画像に人体をピンクで表して考察です。
〇で囲んだところの上側は@にあるので青線で補いました。下側は裸にしろ下ばきにしろ何らかの線がないとおかしいのでここも青線で補いました。
上着が右足に被さっていると思っていましたが、どうも下ばきのようです。
皆様はどのように思われるでしょうか。


2020.07.20

あれこれ790

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からのコメツブケイソウ(コッコネイス)です。このお方は胞紋が巨大ですが、そのまま開いているのではなく内部に細かい穴を沢山持っている異色の方です。
殻面は表裏で異なるので、このお方ではないかと思われるものを合成してみました。はたして合っているのでしょうか。


2020.07.15

あれこれ789

若かりし頃は職場サークルが盛んな時代でした。サークル自体はこの厳しい時代で消滅してしまいましたが、その時の仲間でグループ展をしています。今回で23回になりました。若々しい男女の頃に知り合った仲間が頭の白さも目立つジジババになっても年一回集うわけです。
皆が集まってワイワイと飾り付け、展示された力のこもった作品を眺めていると仲間で描くことの大事さを思います。


2020.07.10

あれこれ788

MWS珪藻プレパラートASK_01(池)からのクサビケイソウ(ゴンフォネマ)です。マネキンを彷彿とさせるゴンフォネマは数が少なくて貴重品の部類ですが散らしのプレパラートなのでおかしな個体も見つかりました。下段のがそれで生きているときからおかしかったのか、死んだのち殻だけになってから変形したのか判断に迷うところです。
こうして並べて見ると細かな違いも見つけられてよいものですね。探してみてください。


2020.07.05

あれこれ787

MWS珪藻プレパラートASK_01(池)からのコメツブケイソウ(コッコネイス)です。前回は海域のものでしたが今回は淡水域のものです。コメツブケイソウと言えばこのお方のような姿だと思います。
こんもりと盛り上がったお方なので、その感じを現しつつ胞紋もしっかり写すのがよいカットではないかと思っているのです。それは美しいものでもあるはずです。美しいと思っていただければ嬉しいのですが。


2020.06.30

あれこれ786

前回のコメツブケイソウ(コッコネイス)は反対側の殻面には縦溝があるはずなので探したのがこの方なのです。深度合成しているので全体像が何となく感じられないでしょうか。
中心と縁が一番高くて内に窪んでいるようです。胞紋も細かくてコメツブケイソウの仲間としてちょっと変わった方のように思えます。沿岸域で海藻とかに付着しているのではないかと想像しますが、波が荒くても平気な方のようにも思われます。


2020.06.25

あれこれ785

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からのコメツブケイソウ(コッコネイス)だ。珪藻は普通外縁から盛り上がっているようだが、この方は内側に窪んでいらっしゃる。少しのピント移動で胞紋の形や位置が変化して本来の姿をなかなか見せていただけないお方なのです。ですからこのカットは適切なものかそうでないのか悩ましい限りではありますがじっくりと見て元の形を思い浮かべるのに使うわけなのです。


2020.06.20

あれこれ784

MWS珪藻プレパラートARK_01(干潟)からのコアミケイソウだ。本家の6月8日の「あれこれ」に正六角形内にさらに細かい胞紋をもつコアミケイソウが載っている。素人とプロの差は歴然としている実に整然とした幾何学的な画像なのだが、それは横に置いといて小生のはよくよく見ると六角形が五角形になっているところもあり大きさも不揃いで正しい成長をしてこなかったような個体とも考えられる。お手本と見比べているとそんなことを思い浮かべた。良いお手本は恵みをもたらすのでしょう。


2020.06.05

あれこれ783

外殻が珪酸と炭酸カルシュウムのちがいはあるものの単細胞植物プランクトンの珪藻は中生代からだから古生代からの円石藻は先輩だ。ともに厳しい地球史を生き抜きかつ栄えている優れものたちだが外骨格があることがそれを支えている様な気がするがどうなのであろうか。様々な形に変化していったことは様々な環境に適合していった結果だとも言えようか。


2020.05.30

あれこれ782

円石藻は直径0.01mm程度で生物顕微鏡では詳細な姿は無理、電子顕微鏡の世界である。今はネットを検索すると沢山ヒットする。そのうちのいくつかを組み合わせて模写したものだ。単細胞の植物プランクトンで外殻に炭酸カルシュウムの鎧をまとっているという驚くべき生き物だ。中高の円形または楕円体をまんべんなくまとっているのが基本形のようだ。この楕円体が種によって変化極まりないというものらしい。中には幾何学図形そのものもいる。壊れたのがあったが意外と厚いのが分かる。穴あき楕円体のは隙間だらけで物質の出し入れは自在だが、五角形を組み合わせたやつはつなぎ目の隙間だけだ。それぞれの生活の仕方に適応しているのだろうが興味深い。
古生代の終わりころに出現して海底に降り積もった遺体が地層となって残っている。有名なのはドーバー海峡の白亜の崖だ。人類は地球は我がものと大きな顔をしているが地球の歴史上は一瞬の出来事に過ぎないのを悟らせる出来事だ。日々あくせくと思い悩む生き方は切実ではあるがなんとつまらないことか。


2020.05.25

あれこれ781

数日前にMWS「本日の画像」で円石藻の大発生で海がエメラルドグリーンになっている記載があった。よくサイクリングしているところで海を見下ろす場所がある。17日に綺麗なエメラルドグリーンをしていたので撮影した。その時は円石藻のせいだとは知らなかったのだが珍しい事件に巡り合っていたのだった。白い楕円の中は24日の様子だ。海岸沿いはまだ残っているが他は青くなっていた。近くの米神港の様子を見に降りてみたがコロナで立ち入り禁止の柵がしてある。いつもは堤防に釣り人が沢山いるのだが人気はなく円石藻もあまり残ってはいないようだった。17日の写真には岩の上に釣り人がいる。初めて見たが港が立ち入り禁止なのでこんな危ないところで釣っていたのだろう。


2020.05.20

あれこれ780

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)から円心目の仲間だ。散らしのプレパラートならではだが斜めに封入されている。ピントを上部からゆっくりと下ろしていくと鮮明な部分が移動してゆく。移動する先が下に位置しているわけだ。下面を通り過ぎるか過ぎないかぐらいの微妙な位置てはまだ形になっている。右側の画像がそれである。常識で考えると赤で描いた断面図を見ているようにしか思えない。訳は分からないのだがこの特性はしっかり捕まえていないと珪藻の形を見間違う恐れがあるのだ。


2020.05.15

あれこれ779

MWS珪藻プレパラートKMR_01(沿岸)からカザグルマケイソウ (Actinoptychus)の輪帯照明による画像だ。海岸近くを漂っている珪藻だと思う。名前のごとく上下に三枚づつ六枚の風車を持っているわけだ。ピント位置は左から右に下がってゆく。左側はまだ珪藻の位置に達していないが上面の構造が垣間見れる。その横はもっと下にあるのだが上にあるように見えるはずだ。右側は珪藻本体の位置を通り越しているのだがしっかりと形になっているという不思議さなのだ。生物顕微鏡はほんとに興味深い。


2020.05.10

あれこれ778

MWS放散虫プレパラート特注品J482からの深度合成したものだ。珪藻よりかなり大きいし形も大振りで。浮遊性のものだろうがすごく立体的だ。動物性プランクトンだし単に漂ってばかりいるとも思えない。上から飲み込んだ海水を下から噴出して素早く移動し左右の腕で進行方向をコントロールする。と想像をたくましくしてしまうが、これは骨格で回りは変化に富んでいる有機体で囲まれている可能性もあるらしいしが事実はもっと奇妙かもしれない。


2020.05.05

あれこれ777

MWS珪藻プレパラートASK_01(池)からネイディウム(ハスフネケイソウ)と思われるもの。
このプレパラートはいろんな種類がいて楽しめる。よく覗いていたものだ。あれこれに載せるために昨日撮影して深度合成した。ピンぼけ部分がなくなるものの荒れた感じはご愛敬だ。MWSプレパラートには珍しく微小小石がまんべんなくばらまいてある。ここにもひっついているのがいるがそれもまた楽しの奴なのだ。


2020.04.30

あれこれ776

コロナウィルス退治は自宅でじっとしているのが一番らしいが、習字をするのは精神を落ち着かせるのもあって効果的かもしれない。
それだからというわけでもないが、江守賢治著「常用漢字など二千五百字 楷行草総覧」の臨書を続けている。見開き二ページに十二字が表示されている。それを半紙一枚に写していくわけだ。写し終えて草書のおさらいに最下段の草書体を抜き書きして末尾二行にまとめて一枚が終わる。これが頭の中に残ってくれると嬉しいのだが悲しいことに全く残らない。ただ沢山臨書していると筆の運びにこの先生の癖のようなものを感じるようになってきた。臨書の手本には名だたるものがいくつもあるそうだからこれが正解というのはないのだろう。書に関心はなく別世界であったが奥深さを感じ始めたわけだ。


2020.04.25

あれこれ775

MWS放散虫プレパラート特注品J482からの画像だ。
これもあまり壊れていないと思う。やはり角状のものが欠けているのだろうが長さが分からないもののなんとなくどんな具合についているのかは想像できそうだ。
この画像だと表面は平らなように見えるが実際は丸いと思う。中央の丸は大きいが離れるにしたがって小さくなり、また、ひしゃげてくる。実際は同じ大きさだとすると上に凸の曲面上に並んでいるはずだ。
どうしたら丸く写せるのか見当もつかないで途方に暮れているところだ。


2020.04.20

あれこれ774

MWS放散虫プレパラート特注品J482の一部が今日の画像だ。壊れたもの主体で注文したのであるが、この個体はあまり壊れていないと思う。角状のものが欠けているくらいではないだろうか。深度合成した画像で顕微鏡でこのように見えているわけではないが、これをよく見てピントをずらしながら検鏡すると見逃したことが見えてくるかもしれない。
断面を見ながら全体像を思い浮かべるのが放散虫を検鏡する楽しみなのだ。


2020.04.15

あれこれ773

MWSのバルバドス放散虫ニセ散布スライドから。
暖かくなってきて春の行楽シーズンなのに今年はそんな悠長なことをしていられなくなった。微生物を気にしながら生活することになるとは思いもしなかったがコロナウィルスの跋扈は目前に迫っている恐怖を感じる。
コロナウィルスよりはるかに大きいが微生物の仲間のバルバドス放散虫でも眺めていよう。


2020.04.10

あれこれ772

ギロシグマ(エスガタケイソウ)の電子顕微鏡写真はネットにいくつか出ている。この種ピッタリのものは見当たらなかったが似たようなものがあったので模写したのが今日の画像だ。表面と裏面のものがあって随分違うのが理解できる。
表面は平滑で条線や胞紋は非常に細い反面、裏面は凹凸も多く胞紋は丸い穴になっており条線は形状も異なる。
断面はどうなっているかを想像したのがA,B断面図だ。中央とその脇の所で考えた。
これも想像だが表面が細いスリットになっているのはこの隙間を通り抜けられるものだけが必要な物質でそれ以外は拒否しているのだろう。身体の強度を確保するには厚みが必要だが厚くすると必要物質が取り込みにくくなる。その解決法として厚い骨格の表面にスリットの開いたごく薄い板状のものを張り付けた二重構造になっているのではなかろうか。
MWSの教育用プレパラートのE−P1(沼)でたった一個しかなくコントラストも低くてあるかないかの微妙なものだったが被殻の極めて薄いギロシグマを見つけたことがある。たまたま表面が剥がれ落ちたものと考えてもよいのではなかろうか。


2020.04.05

あれこれ771

顕微鏡のピント位置は微妙なものだ。前回は条線にこだわって、被殻の中にわずかに入った位置だと思うが割れ目を感じさせる画像を選んだ。表面は細い線だが内部は広がっているのではっきりと写るのである。今回は表面がどう見えているのかにこだわったものだ。もう少し上げると平滑さが増すが中央部の条線端部のへこみが感じられるようなものを選んだ。
MWSが撮影すると、条線もしっかりと解像し、きれいな線が見えているはずだ。小生の実力ははるかに及ばないのでとてもできないのであるが、目を凝らしてみていると脇の方にうっすらと線が見えているような気がする。頑張りどころなんだろう。


2020.03.30

あれこれ770

MWSのDL-TESTプレパラートからギロシグマ(エスガタケイソウ)の中心部だ。
検体は申し分ないが、なんとも弱弱しい画像で頼りないこと甚だしいのではあるが、胞紋は一つ一つ確認できるし中央の条線もそれらしく見えているので、捨てたものではないのかなと自ら慰めているところだ。
顕微鏡を使いこなすと対物レンズが安価でもおもちゃでなければ素晴らしい画像を得ることができる実例がMWSの「本日の画像」2020年3月28日分に出ている。良い見本はそれに近づけようと努力すればよい結果をもたらすありがたいものなのである。結果はともかくとして。


2020.03.25

あれこれ769

芥子園画伝第三集の草虫花卉譜の芍薬のページである。
@は新藤武弘訳日貿出版社のもので画像はやや小さいが線はきれいに印刷されている。Aは中華書房香港分局の出版で線も太くてかすれているようなところも多くて不満の出るものであった。Bはそのカスレ部分を@を参照しながら鉛筆で補正したものだ。随分見やすくなった。
赤丸のところは@のほうが欠けている。注意して他の所も比べてみると見つかった。些細なことであるが復刻というのも微妙なものだ。


2020.03.20

あれこれ768

芥子園画伝の人物屋宇譜からの模写だ。山水図の点景としての人物なので特徴を捉えてそれらしく見えればよいというものであり略画とも言える。
このページは、水に足を浸し涼んでいる人と網を打ってる漁師に、何かわからないが籠を水中に押し込んでいる人が描かれていた。
籠を操っている人は水辺でズボンというようなものが濡れるせいだろう脱いでいてお尻が丸出しになっている。ただ見ているときには気づかなかったが、ここを写すときに、えっ裸だ。となった。
気張って見ているようでも実はほとんど見ていない。ということですね。


2020.03.15

あれこれ767

MWSの教育用プレパラートは場所によっては密集しているのもある。このようなのを見ると微生物って目には見えないが沢山いるんだなぁというのが実感できるように思うのだ。金魚鉢についてる水垢のようなものを生物顕微鏡でみると原生動物が結構見つかる。暗視野にするとさらに小さい細菌が物凄い数でうごめいているのがわかる。人間の体だって表面から内部まで微生物だらけだそうだ。しかも悪さをするのだけでなく役に立っているのもいるそうで、善玉菌をいかに我が子に受け継がせるか苦心している母親もいるという。今や除菌グッズが幅を利かせている世ではあるが、やりすぎるとよろしくないことになるのかもしれない。


2020.03.10

あれこれ766

今日から春の新作家展である。画像はその出品作だ。銀座の大きな画廊で開催だが会員だけのこじんまりとした会で人混みになることはないものの往復の感染の危険性もあるわけなので案内状は一枚も出さずじまいだ。早く収まってもらいたいものである。

ベニヤ板に水性塗料で下地をつくり墨で描き上げる絵も三作目になった。油と違って乾くのを待つ時間は必要ないので毎日描き続けられる。重量感をだすのは難しいがそんなモチーフでないし自分にはあっているのか描きやすい。
新作家に参加したとき抽象を描かれていた重鎮の方に作品を見てもらったが、「このような絵は分からん。」と言われ、うーというような顔をしていたのだろう。間をおいて「もっとリアルで良いのではないか。」と言われた。
ずっと気になっていたが好転することなくほとんどあきらめていた。画材を墨に変えたのがよい刺激になっているのかリアルさが出てきたような気がする。この絵で何を表現したいのと問われて明確に答えることはできないが横顔の男性が目の前に居るかのように感じていただければなあと願うのである。


2020.03.05

あれこれ765

昔を懐かしんで珪藻観察を始めた頃の画像を見直した。そのうちの一枚だ。MWSの教育用プレパラートのE−P1(沼)で、これが一番見ていると思う。隅から隅までといった感じで編針珪藻も見つけた。このプレパラートを買ってそこまで見た人はいないだろうと思えるほどだが、制作者の奥氏は編針珪藻が入っているのを確認されていた。作り上げたものを徹底して確認されているようだ。想像するに頭の中の膨大なデータベースと並外れた注意力で短時間でできているのだろう。のんびりやっていたら「いくら時間があっても足りぁしねえゃ・・」だろう。
明視野での検鏡しか出来ていなかったのだがコンデンサーに厚紙で作ったアタッチメントをつけて編斜照明ができるようになって撮ったのが今日の画像だ。影が一方向にでるので立体感がでてきて実に嬉しかった。色々やっているうちに珪藻の表を見ているのか裏を見ているか訳が分からなくなったのも懐かしい思い出だ。


2020.03.01

あれこれ764

「芥子園画伝」の樹譜の模写とともに楷行草総覧の臨書も熱心にやっている。今日の画像は楷書とその草書を取り出して並べたものだ。
若い頃に二千五百字をまとめた書籍を求めて臨書を始めたのだが挫折していた。今また筆墨の世界に目覚めて昔求めた本を取り出して来た訳だ。
真筆と側筆の違いも知らなかったノータリンでも、ネットでいろいろ教わることにより独りよがりではない書き方にはなっていると思うが、いつかはお手本のようにキチンと書けるようになりたいものである。

五百文字を楷書から草書の変化で五千字程度臨書しているのだが、爺の手習いで、空では一字も書けないし読めもしないのにため息が出る。
江戸時代は版木による出版が盛んだった。黄表紙とかの庶民向けのようなものも多いようで、絵入りではあったろうが、ひらかなと草書体で綴られているのを造作もなく読んでいたと思うと昔の人はすごいと言うしかないですね。


2020.02.25

あれこれ763

ヒメバチの一種だと思うが体長1.1センチメートルで去年の4月に捕まえたやつだ。今になってスケッチした。
ハチの胸部は固い外骨格で一見すると固着しているように見える。それでよいような気もするが動かないとまずいことになる。不思議だが翅を動かしているのは外骨格が動いているからだそうだ。解剖するとわかるが、胸部内には縦横に太い筋肉がぎっしり詰まっている。この筋肉の収縮をコントロールして巧みな飛行をするわけだ。
小形のハチは外骨格表面の彫刻が興味深い。このハチは派手さはないものの小楯板あたりは窪みや縁のめくりなど表現するのに苦労する変化があって楽しめた。


2020.02.20

あれこれ762

MWSのバルバドス放散虫ニセ散布スライドから、対物レンズ40Xの暗視野で撮影して深度合成したものの二枚目だ。球形の奴だと思うのだがひしゃげたものにしかならない。それでも下を隠して上半分だけを見るとかなり球形に見えなくもない。
手製の暗視野用アタッチメントでは光を四方から均等に当たるように調整するのは難しい。なのでこのように光の当たり方に方向性を感じるものしか出来ていないのだが、これが均等にできたら大分違う絵になるような気もする。試みてはいるがいっかな成功しないのである。


2020.02.15

あれこれ761

MWSのバルバドス放散虫ニセ散布スライドから、対物レンズ40Xの暗視野で撮影して深度合成したものだ。
40Xともなるとピントの合う位置はわずかで全体像はつかみづらい。深度合成も思うようには成功しないが多少なりとも立体を感じられるのが救いである。
放散虫は10Xだと適度の大きさで形もよく分かりキラキラと輝いて見やすい。40Xで見るのは迫力はあるが一部分以外はボケボケで想像力を必要とする。大変だがそれも楽しみなのである。


2020.02.10

あれこれ760

6日に撮影したものだが、桜が咲いていた。早咲きの桜でも暖冬のせいだろうかとも思うが早すぎるような気もする。この手前では株立ちのケヤキの一本が下の方で折れている。何日か前の強風のせいだろう。
地震や台風など自然災害も多いしコロナウィルスの騒ぎも収まらない。一国の総理が国会で野党の質問者を嘘つき呼ばわりする異常な世の中だが、平安末期は地震、火事、飢饉、疾病、盗賊の横行で末世と呼ばれ宗教活動も盛んだった。今は末世なのだろうか。
マスコミは地球温暖化で騒がしいが、今の地球はまだ氷河時代の真っ只中で間氷期で暖かいに過ぎずこれから寒冷化するという説もあるらしい。そうなると寒さで飢饉になってほんとに末世と言えるのが来るかもしれない。早咲きの桜と折れたケヤキを見たら変なことを考えてしまった。


2020.02.05

あれこれ759

ネットオークションで芥子園を検索したらいろいろ出ていた。さすがに当初の康熙年ではなく光緒年や民国でも早い年代の版であったが古いものがあるのに驚いた。
日本のものだが明治初期の木版多色刷りの康熙版に基づいたようなのもあって競り合って高額で落札されていた。
左画像の上は、競争相手は一人もいないで落札できた1979年重刷の中華書房香港分局から出版されたものである。表紙の画像しか出ていなくてどの程度の印刷か判断はつかなくて不安はあったが安価なので応札した。後半の作例など見たかったからなのであるが。
一冊丸ごとコピーして現代の様式に整えページと解説を付けたようである。画像の下は小生の持っている翻訳書であるが縮尺を合わせるとピッタリ重なるみたいで元の版は同じようだ。原寸大の復刻版のようで絵が大きくなったのはよいが線が太くなって一部細部がつぶれていたりして不満もあるが全体像がわかってうれしい限りだ。


2020.01.30

あれこれ758

芥子園画伝樹譜から雲林樹法
小生の持っているのは1985年に出版された翻訳書で、名画の作例は載せていない簡易版だが書かれている文章は翻訳文があるので日本語で読める。以下画像の文の訳である。
「雲林は側筆を多く用いて筆に軽快さや重厚さを見せているが、円筆(直筆)は用いなかった。側筆の長所は気高くすっきりしたところにある。宋代の院体画風では、みな直筆の皴を用いるが、北苑だけは多少異なった描き方をしている。雲林、黄子久、王叔明らはみな北苑を祖としており、側筆を用いている。」
もっとも中国絵画に造詣がないと画家の名前を見ても時代も画風も全く分からないが、この本には画家の解説と小さいながら作例もついている。入門用にはよくできた本なのである。


2020.01.25

あれこれ757

MWSのバルバドス放散虫ニセ散布スライドから、対物レンズ10Xの暗視野で撮影したものだ。1月10日に掲載したものより詰まっている感はする。背景が黒なのも影響しているかもしれない。
この連中は動物だから何かエサを取って海中を漂いついには死んで海底に降り積もるわけだ。骨格は珪酸だから溶けてなくなることはない。塵も積もれば山となるではないが珪藻土やチャートの地層となって人の目にも触れることになるそうだから地球の歴史は悠久で壮大なものだ。人類の歩いてきた時間などたかがしれていると思うと日頃のちまちましたことがあほらしくなってくる。


2020.01.20

あれこれ756

喜多川歌麿の「画本虫撰(えほんむしえらみ)」模写の第五弾だ。
きりぎりす   さのみなは鳴音なたてそきりぎりす  ふか入壁も耳のある世   倉部行澄 (くらべのゆきずみ)
蝉      うき人のこころは蝉に似たりけり  声ばかりしてすがたみせねば    三輪杉門 (みわのすぎかど)

洋画の描き方でずっとやってきたわけだが、この頃筆墨の世界にひかれる。この絵は木版画で歌麿の線の調子そのものではないが模写していると艶めかしくも優美な線なのが伝わって来る。花などと同じく昆虫も写生を沢山していたのか、この冊子のために写生したのか判断もつかないが蝉ときりぎりすの描写は素晴らしく科学的てもある。生半可な観察ではないのである。


2020.01.15

あれこれ755

この頃熱心にやっていることは「芥子園画伝」の樹譜の模写である。文人画の手引書みたいなもので、一本の木で落葉したもの、葉を茂らしたもの、木々を組み合わせたものなど具体的な実例を多数収めてある。また、著名な画家の手法を取り入れているので作品を鑑賞する際の強力な手助けにもなる。漠然と見ていてもちっとも身につかないので模写するわけだ。
図は范寛(北宋11世紀)の画法でごつごつした雄渾なものである。有名な「渓山行旅図」の下段には裸木が多数ありこの通りのものはないが確かに感じは出ている。この画伝は優れものの書冊なのです。
のんびりと硯で墨を磨り、気持ちを落ち着けて和紙に筆を落とし元図に従って筆を動かすというのもなかなか良いものだ。だが現実は厳しい。太さや曲がり方の変化も多いのに筆の保持もままならず、とてもではないが忠実には写せたものではない。なのであるが、模写の強みでよく描けているように見えるはずだ。元図と並べると馬脚が現れるが持っている人はまずないので安心して掲載できるわけだ。


2020.01.10

あれこれ754

MWSの「本日の画像」では、バルバドス放散虫ニセ散布スライドの表示がしてあって初めはなぜニセなのか意味が分からなかったが、散布スライドに見えるけれども実はばらまいたものを整理し空いたところには単品を姿よく置いたりと手のかかっているのをニセと表現されていたのだった。
肉眼で見る美しさは全く出ていないが対物レンズ10Xで撮影したものだ。4Xだとビッシリ詰まっている感じがあるが10Xだと賑やかさはあるもののビッシリ感はなくなり一つ一つの特徴が印象深くなってくる。面白いことである。


2020.01.05

あれこれ753

燕文貴の「江山楼観図」の三回目の模写で山岳地帯に入り込んで険しい山中に楼閣が聳えている図だ。
元の図は日本でいえば平安時代のものなので不鮮明なところも多い。なにか分からないままに濃淡を写していると、どうも樹木が茂っているところらしいと気づかさせられるし山岳の中途に細い平坦の所があるのも分かり、広すぎるが楼閣への道を暗示しているような気もする。
模写して初めて気づいたほどで、ありていに言うとなにが描かれているのかよくわからない図柄だろう。
しかし、楽しく模写できたし、東洋画の空間処理もすこしは身についてくるだろうしで愛着のある模写なのだ。


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